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特集2 これまでの10年とこれからの10年—理学療法の発展と課題と夢
心疾患の理学療法
著者: 渡辺敏1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーション部
ページ範囲:P.30 - P.31
文献購入ページに移動これまでの心疾患の理学療法は,日本循環器学会での循環器疾患の運動療法や,日本心臓リハビリテーション学会での心臓リハビリテーションに包括されながら,生命予後改善をアウトカムとした臨床研究のエビデンスに支えられてきた.言わば医師主導の研究報告に理学療法士が追従する形で,運動療法や心臓リハビリテーションおよび理学療法の使い分けは明確には求められなかった.
そのような潮流のなかで,下肢筋力という理学療法士目線での臨床研究において,心機能のみならず下肢筋力が運動耐容能と相関している事実が理学療法士から1994年に報告された(図1)1).この報告は20年以上前に出されたものだが,有酸素運動主体であった心疾患の運動療法に,無酸素運動という理学療法寄りの手法が定着するきっかけとなり,これまでの心疾患理学療法の成果物の一つである.
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