icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル50巻1号

2016年01月発行

文献概要

特集2 これまでの10年とこれからの10年—理学療法の発展と課題と夢

心疾患の理学療法

著者: 渡辺敏1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーション部

ページ範囲:P.30 - P.31

文献購入ページに移動
これまでの10年の心疾患理学療法

 これまでの心疾患の理学療法は,日本循環器学会での循環器疾患の運動療法や,日本心臓リハビリテーション学会での心臓リハビリテーションに包括されながら,生命予後改善をアウトカムとした臨床研究のエビデンスに支えられてきた.言わば医師主導の研究報告に理学療法士が追従する形で,運動療法や心臓リハビリテーションおよび理学療法の使い分けは明確には求められなかった.

 そのような潮流のなかで,下肢筋力という理学療法士目線での臨床研究において,心機能のみならず下肢筋力が運動耐容能と相関している事実が理学療法士から1994年に報告された(図1)1).この報告は20年以上前に出されたものだが,有酸素運動主体であった心疾患の運動療法に,無酸素運動という理学療法寄りの手法が定着するきっかけとなり,これまでの心疾患理学療法の成果物の一つである.

参考文献

1)山﨑裕司,他:心筋梗塞患者の下肢筋力—下肢筋力と歩行,運動耐容能の関連.総合リハ22:41-44,1994
2)森尾裕志,他:高齢心大血管疾患患者における下肢筋力,前方リーチ距離と歩行自立度との関連について.心臓リハ12:113-117,2007
3)齊藤正和,他:入院期心疾患患者に対する低周波電気刺激の安全性についての検討.心臓リハ10:23-26,2005
4)厚生労働省:平均寿命と健康寿命をみる2.http:www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/chiiki-gyousei_03_02.pdf(2015年6月19日閲覧)
5)松本泰治,他:定期的運動は実験的大動脈瘤マウスモデルにおいて腹部大動脈瘤形成を抑制する.心臓リハ17:151-154,2012
6)Kono Y, et al:Predictive impact of daily physical activity new vascular events in patients with mild ischemic stroke. Int J Stroke 10:219-223, 2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら