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特集2 これまでの10年とこれからの10年—理学療法の発展と課題と夢
理学療法臨床教育
著者: 小林賢1
所属機関: 1慶應義塾大学病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.75 - P.76
文献購入ページに移動これまでの10年を振り返ると,教育分野における最も大きな変化は理学療法士養成校の急増である.これに伴い,臨床実習施設および指導者の不足が懸念され,実際に臨床経験の少ない指導者が担当している状況である.理学療法士養成人数の増加により,臨床施設における人員の量的充足は達成されてきた感がある.
一方,チームの一員として要求される専門性を十分に発揮しているかとの点は未達であろう.臨床実習教育における到達目標のミニマムは,「ある程度の助言・指導のもとに,基本的理学療法を遂行できる」1)である.これは現状の社会情勢や臨床施設の状況を考慮したものだが,果たして独立して理学療法を遂行できるのはいつなのかとの疑問も残る.学内教育では問題基盤型学習(Problem Based Learning:PBL),客観的臨床能力試験(Objective Structured Clinical Examination:OSCE)により基礎と臨床が近接し,臨床教育では早期患者暴露や診療参加型臨床実習が導入されたことによる効果は大きい.これからの10年は何が求められるのだろうか.
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