文献詳細
文献概要
とびら
原点回帰
著者: 沖田実1
所属機関: 1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科運動障害リハビリテーション学分野
ページ範囲:P.901 - P.901
文献購入ページに移動理学療法士となった1989年の7月,上司の指示で長崎県地域リハビリテーション事業に参画することになり,五島列島の上五島地区で在宅訪問を行った.その際,最初に訪問させていただいたケースが四肢・体幹に重篤な拘縮を抱えており,言葉は悪いが「くの字に曲がった寝姿」であり,その衝撃は今でも忘れられない.発生していた拘縮はすでに強直に近い状態で,実践できたことと言えば,先輩の指導のもとでの手掌面の清拭と定期的な爪の切除といった家族への助言程度であり,理学療法士としてあまりにも無力であることを痛感した.つまり,この時点から私の拘縮研究はスタートしていると言っても過言ではない.
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