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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル50巻10号

2016年10月発行

文献概要

特集 生活支援につなぐ小児理学療法

児童デイサービスにおける小児理学療法と生活支援

著者: 高橋昭彦1 紙野愛嗣1 田中美紀子1 香川真二2 山本八穂2 内山将哉3

所属機関: 1子どもの発達・学習を支援するリハビリテーション研究所 2リハケア神戸 3おきえらぶ子どもリハビリサポートセンター

ページ範囲:P.935 - P.944

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はじめに

 児童デイサービス(通所支援)とは,障害を抱えた児童が可能な限り地域や自宅で自立した日常生活を送ることができるように,児童およびその家族を支援する公的な社会福祉事業である.主たる支援の概要は児童に対する療育サービスの提供であり,発達や学習を促すことで心身機能の維持・改善を図り,基本的な動作能力,知識技能,集団生活への適応能力を獲得させることである.また,地域における児童や家族の孤立感の解消,家族の介護の負担軽減など,児童の生活拠点である地域や家族に対する支援という役割も担っている.これまでデイサービスは医学的リハビリテーションが終了したあとの機能低下の防止や社会参加の拡大を目的とする社会的リハビリテーションの色合いが強かったが,現在のデイサービスには,対象が障害者や高齢者の場合には機能回復,児童に対しては発達や学習への支援が求められるようになり,その役割が大きく様変わりしようとしている.

 児童デイサービスは2012年に法改正が行われ,これまで知的・難聴・肢体不自由など障害種別に行われてきたサービスを一元化し,それら3障害に対する総合的かつ身近なサービスの提供が求められるようになった.NPO法人子どもの発達・学習を支援するリハビリテーション研究所(以下,当法人)では,全国に先駆け機能訓練担当職員としてセラピストを常勤で配置することで,さまざまな障害を抱える子供たちに個別療育と集団療育をサービスの両輪とする児童デイサービス事業を展開している.本稿では当事業所で提供しているサービス,利用している児童の変化についても具体的に紹介する.

参考文献

1)厚生労働省:児童福祉法の一部改正の概要について.http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsushien/dl/setdumeikai_0113_04.pdf(2016年4月20日閲覧)
2)障害者総合支援法事業者ハンドブック指定基準編(2014年版)—人員・設備・運営基準とその解釈.中央法規出版,2014
3)障害者総合支援法事業者ハンドブック報酬編(2014年版)—報酬告示と留意事項通知.中央法規出版,2014
4)厚生労働省:障害福祉サービス,障害児給付費等の利用状況について.http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/toukei/dl/01-24.pdf(2016年4月20日閲覧)
5)Perfetti C,他(著),小池美納(訳):認知運動療法—運動機能再教育の新しいパラダイム.協同医書出版,1998
6)Puccini P:言語,認知,運動の組織化:運動統合障害をリハビリテーションの視点から解釈する.認知神経リハビリテーション学会公開セミナー資料(発達障害の子どもたちへの認知神経リハビリテーション),2012
7)NPO法人子どもの発達・学習を支援するリハビリテーション研究所:公式ホームページ.http://kodomonoriha.com/(2016年4月20日閲覧)
8)関あゆみ:母子保健から見た発達障害—学習障害.母子保健情報63:11-15,2011
9)池田伸子:ディスレクシアを抱える日本語学習者に対する読み学習支援に関する一考察.日本語教育実践研究2:1-15,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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