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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル50巻10号

2016年10月発行

文献概要

特集 生活支援につなぐ小児理学療法

常時医療ケアを必要とする子どもたちと家族への外出支援

著者: 神田雄生1

所属機関: 1柊訪問看護ステーション

ページ範囲:P.945 - P.950

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はじめに

 近年,小児科医療は著しい進歩を遂げ,超早産児や染色体異常などの致命率は顕著に向上している.その結果,経管栄養や酸素療法,人工呼吸器などの高度な医療ケアを日常的に必要とする重症児が退院し在宅生活を送ることが増えている.2013年度の厚生労働省科学研究による全国調査1)でも人工呼吸器を装着したまま新生児集中治療室(neonatal intensive care unit:NICU)から1年以内に退院する児が顕著な増加傾向を示していた.

 1994年の健康保険法改正により訪問看護ステーションにおいて,医療保険制度による小児の訪問看護・訪問リハビリテーションが算定・実施できるようになった.樫本ら2)は,「療養児も子どものQOLや成長発達からみると,可能な限り家族のなかで生活することが望まれる」と述べており,今後も訪問リハビリテーションの需要は増加していくと考えられる.

 在宅で日常的に医療ケアを必要とする児は,その家族やきょうだいとともに外出の制限を受けることが多い.今回柊訪問看護ステーション(以下,当ステーション)が中心となり,近隣地域の医師・看護師などの多職種と連携して,医療ケアが必要な子どもと家族が安心して外出できるイベントを企画・実行した.それと同時にボランティアや医療従事者への在宅小児医療の研修会も開催したので報告する.なお,参加者や症例紹介の家族には倫理的配慮をし,同意を得ている.

参考文献

1)田村正徳,他:厚生労働科学研究費補助金(育成疾患克服等次世代育成基盤研究事業)(分担)研究報告書.平成24年度重症の慢性疾患児の在宅と病棟での療養・療育環境の充実に関する研究.2013
2)樫本文子,他:当センターにおける訪問看護ステーションの利用の現況—MSW相談と指示書発行状況より.大阪母子保健医療セ誌17:106-111,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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