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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル50巻11号

2016年11月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法関連用語〜正しい意味がわかりますか?

Trail Making Test

著者: 網本和1

所属機関: 1首都大学東京健康福祉学部理学療法学科

ページ範囲:P.1029 - P.1029

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 注意障害は臨床的に頻繁に認められる症状であり,方向性注意障害と全般性注意障害に分けられる.全般性注意機能の構成要素としてSohlbergら1)は注意の焦点化,持続性注意,選択性注意,転換性注意,分配性注意を提唱しており,患者のもつ注意機能障害がどの要素なのかを考察して対応すべきとしている.

 このような注意機能の簡易な評価として,トレイル・メイキング・テスト(Trail Making Test:TMT)が知られている.なお,trailは追跡するという意味である.鹿島ら2)によれば,Army Individual Test(1944)に含まれていたもので,パートA(TMT-A)とパートB(TMT-B)の2種類から構成される視覚運動性探索課題であり,臨床的に広く使用されている.

参考文献

1)Sohlberg MM, et al:Introduction to Cognitive Rehabilitation, Theory & Practice, The Guilford Press, New York, 1989
2)鹿島晴雄,他:注意障害と前頭葉損傷.神経進歩30:847-858,1986
3)豊倉 穣,他:情報処理速度に関する簡便な認知機能検査の加齢変化.脳と精の医7:401-409,1996
4)杉本 諭,他:Trail Making Test簡易版とTrail Making Test日本語版との関連.理療科29:357-360,2014
5)山田 実:注意機能トレーニングによる転倒予防効果の検証—地域在住高齢者における無作為化比較試験.理療科24:71-76,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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