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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル50巻11号

2016年11月発行

文献概要

臨床実習サブノート 臨床実習のリスク 地雷を踏むな!・6

呼吸不全

著者: 渡邉陽介1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーション部

ページ範囲:P.1049 - P.1054

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はじめに

 臨床実習において学生が担当する疾患は脳血管疾患・運動器疾患がその多くを占める.一方で,本稿のテーマである呼吸不全を主病態とした症例がケースとなることは稀ではなかろうか.しかしながら,近年では高齢化に伴いさまざまな重複障害を有する患者が増加傾向にあり,慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)を中心とした慢性呼吸器疾患を合併している症例も多く存在する.そのため,そのリスク管理に関する知識は重要な情報となる.加えて,集中治療室(intensive care unit:ICU)からの早期リハビリテーションが急性期理学療法における近年のトピックスであり,今後急性呼吸不全に関する知識の重要性が高まることが考えられる.

 本稿では,慢性呼吸不全・急性呼吸不全の患者さんを担当する際の臨床実習における顕在的,潜在的リスクとその対応法,地雷を踏まないためのコツについて述べる.

参考文献

1)日本呼吸器学会肺生理専門委員会,他(編):酸素療法ガイドライン.メディカルレビュー社,2006
2)聖マリアンナ医科大学リハビリテーション部:理学療法リスク管理マニュアル,第3版.三輪書店,2011
3)宮城征四郎,他:呼吸器疾患における身体所見と肺機能検査.呼吸22:30-34,2003
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11)Lama VN, et al:Prognostic value of desaturation during a 6-minute walk test in idiopathic interstitual pneumonia. Am J Respir Crit Care Med 168:1084-1090, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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