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特集 地域包括ケア病棟
循環器疾患専門病院における地域包括ケア病棟
著者: 湯口聡1 山内朋子1 二寶友美1 吉村香映1 齊藤和也1 富磨智子2 吉田俊伸3
所属機関: 1心臓病センター榊原病院リハビリテーション室 2心臓病センター榊原病院看護部 3心臓病センター榊原病院循環器内科
ページ範囲:P.1109 - P.1117
文献購入ページに移動2014年度の日本人における死因の第1位は悪性新生物,2位は心臓病,3位は肺炎,4位は脳卒中である.悪性新生物は一貫して上昇しており,肺炎は2015年度に脳卒中を抜いて3位となっている.心臓病は1985年に第2位となったまま,1994,1995年に減少傾向となったものの,1997年から再び上昇の一途をたどっている1).臓器別に考えると,悪性新生物は多臓器をすべて含んでの集計であるが,心臓病は臓器単独での集計であるため,単独の臓器障害では他に比べると圧倒的に多いものと推測される.
一方,外科治療や心臓カテーテル治療,薬物療法などその進歩は著しく,循環器疾患に対する治療成績は年々向上しているように思われる.しかし,こうした進歩があるなかで,心臓病の死亡率が減少傾向にならない背景にはさまざまな要因が考えられる.1つには,心臓カテーテルや薬物療法による急性期治療により救命できたものの,退院した後にその再発や増悪を生じる,いわゆる慢性心不全の急性増悪を生じる症例が増加していると推測される.心臓病センター榊原病院(以下,当院)におけるリハビリテーション処方件数においても慢性心不全の処方件数は年々増加傾向である.
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