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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル50巻2号

2016年02月発行

文献概要

入門講座 重複疾患症例のみかた・3

治療—運動プログラムと介入の工夫

著者: 南角学1 中谷未来1

所属機関: 1京都大学医学部附属病院リハビリテーション部

ページ範囲:P.195 - P.202

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はじめに

 一般的なリハビリテーションでは,病態から予測される予後などの医学的情報および生活背景などの社会的情報を十分に考慮しながら退院後の生活を想定したうえで目標設定を行う.そして,この目標を達成するための課題や阻害因子に対して適切な介入方法を具体的に立案し,実践していく(図1).

 重複疾患のリハビリテーションでは,重複疾患をどの程度念頭に置くかは症例ごとに異なり,臨床ではそれを見極め選別し重みづけを行う過程も重要となる.また,重複疾患患者では,医学的情報が複雑になることから目標設定や理学療法プログラムについて十分な配慮が必要となる.

 本稿では,重複疾患例に対して,問題点の把握,病態と想定される予後と退院後の生活を想定した目標設定,さらに具体的な理学療法プログラムの立案・実践までの全体的なリハビリテーションの流れと考え方を,筆者らが実際に担当した事例に基づいて紹介する.

参考文献

1)南角 学:頭部外傷・脳腫瘍に対する理学療法.石川 朗,他(編):神経障害理学療法学Ⅱ.pp101-110,中山書店,2012
2)谷口博之:間質性肺炎に対する呼吸リハビリテーション.日本胸部臨床72:74-80,2013
3)Tomlinson CL, et al:Physiotherapy versus placebo or no invervention in Parkinson's disease. Cochrane Database Syst Rev;9:CD002817, 2013
4)中西亮二,他:パーキンソン病の障害評価とリハビリテーション.Jpn J Rehabil Med 50:658-670,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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