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特集 TENS
機能性月経困難症に対するTENSの影響
著者: 宮川真実1 納田美奈子2
所属機関: 1ベルランド総合病院理学療法室 2城山病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.273 - P.276
文献購入ページに移動わが国において女性の社会進出が進んでいるのは周知の事実である.厚生労働省によると,2011年の女性の労働力人口は2,632万人となっており,労働力人口総数に占める女性の割合は42.0%にも上るとされている1).
働く女性が増加している一方で,月経痛が社会的な問題となっている.働く女性の健康に関する実態調査によると,16歳から50歳未満の女性1,906人のうち月経痛がかなりひどい(服薬しても会社を休む)人は2.8%,ひどい(服薬すれば仕事ができる)人は25.8%で,この両者を併せると28.6%,つまり4分の1以上の女性が強い月経痛を訴えていると報告されている2).また月経困難症のもたらす社会経済学的損失のうち,労働損失のみで年間約3,800億円と推計されている3).
性成熟期の女性は妊娠時あるいは授乳期を除くと,通常28〜30日前後の周期で子宮からの出血を繰り返している.これは子宮内膜が卵巣からの性ステロイドホルモンに反応して変化した結果であり,月経といわれる.月経困難症とは,この月経時に下腹部痛や腰部痛など骨盤を主体とした耐えがたい疼痛を主体とするものであり4),多くの女性のADLやQOL低下に関与していると予想される.さらに社会的損失にも影響を及ぼしており,この月経困難症の治療方法の確立が必要であることは言うまでもない.
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