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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル50巻4号

2016年04月発行

文献概要

入門講座 症例を担当するということ・2

担当前に準備しておくべきこと

著者: 吉村恵三1

所属機関: 1公立学校共済組合九州中央病院

ページ範囲:P.405 - P.412

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はじめに

 症例を担当する前に準備しておくべきことには,どのようなことがあるでしょうか.筆者は理学療法士になりたてのころ,どのような症例でも診られるようになりたい,いろいろな症例を経験していきたいと意気込んでいた反面,いざ患者さんを目の前にすると頭が真っ白になり,何を行っていけばいいのかわからず,暗中模索のなか,患者さんに向き合っていたように思います.とりあえず患者さんのところへ出向いたはいいものの,おどおどして不安な様子をみせているようでは,患者さんはなお一層不安になるものです.初回訪問前にある程度の準備をしておき,方向性をつかんでおくことは,余裕をもって患者さんに対応できるコツであると思います.

 われわれ理学療法士は,医師,看護師,薬剤師,検査技師などいろいろな医療職があるなかで,比較的長く,かつ身近に患者さんと接する職業です.また,1人の患者さんと1人の理学療法士といった「人と人とのかかわり」で成り立っていく仕事ですので,人間関係づくりはとても大切になってきます.つまり,疾患だけを診るのではなく,障害を抱えた1人の患者さんにかかわっていくといった視点が必要です.人は感情で動くものです.患者さんの身体を動かす前に,患者さんの心を動かすことが大切です.そのために,理学療法士はどのような心のもちようであればよいのでしょうか.

 本稿では,① 余裕をもって患者さんに向き合えるようになるための事前準備,② 患者さんに快く受け入れられるために理学療法士がもっておくべき心構えの2点について,これまで筆者が経験し,感じてきたことを通し,具体例を交えながら述べていきたいと思います.なお,筆者が勤務する病院の都合上,具体例が急性期の入院施設中心となることをご了承ください.

参考文献

1)吉村芳弘:日本リハビリテーション栄養研究会第4回九州支部セミナー講義資料.2015
2)Robert Boice:Professors as writers:A self-help guide to productive writing. New Forums Press, United States of America, 1990

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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