文献詳細
文献概要
特集 運動器疾患—エキスパートはこうみる
障害予防とパフォーマンス向上をめざした投球動作
著者: 石井壮郎1
所属機関: 1松戸整形外科病院
ページ範囲:P.445 - P.453
文献購入ページに移動はじめに
筆者は小学生から大学生までは選手として野球に携わり,大学生のときは選手の指導にも携わり,その後は整形外科医として患者や選手を診てきた.2008年から投球障害の研究を始め,生体力学や統計学,コンピュータプログラミングなどを勉強し,この7年間は一研究者として多くの理工学系の研究者たちと議論を重ねてきた.
つまり,筆者はスポーツ現場と医学と理工学との重なる学際領域に立っており,本稿では図1に示す視点から論を展開していきたい.はじめに投球動作の研究を読み解くうえでの一般的な注意点を記載し,次項では筆者の研究結果から導いた「パフォーマンスを考慮しつつ障害を防止する投球動作」を供覧する.
筆者は小学生から大学生までは選手として野球に携わり,大学生のときは選手の指導にも携わり,その後は整形外科医として患者や選手を診てきた.2008年から投球障害の研究を始め,生体力学や統計学,コンピュータプログラミングなどを勉強し,この7年間は一研究者として多くの理工学系の研究者たちと議論を重ねてきた.
つまり,筆者はスポーツ現場と医学と理工学との重なる学際領域に立っており,本稿では図1に示す視点から論を展開していきたい.はじめに投球動作の研究を読み解くうえでの一般的な注意点を記載し,次項では筆者の研究結果から導いた「パフォーマンスを考慮しつつ障害を防止する投球動作」を供覧する.
参考文献
1)石井壮郎,他:投球動作中の肩関節内の接触力を推定するシミュレーションモデル.肩関節37:1193-1198,2013
2)石井壮郎,他:大学野球選手における無症候期の両肩関節MRI所見.肩関節34:879-883,2010
3)石井壮郎,他:無症候期の肩MRI所見から投球肩障害の発症を予測できるか? 肩関節34:885-889,2010
4)Neptune RR, et al:A method for numerical simulation of single limb ground contact events:application to heel-toe running. Comput Methods Biomech Biomed Engin 3:321-334, 2000
5)Delp SL, et al:A graphics-based software system to develop and analyze models of musculoskeletal structures. Comput Biol Med 25:21-34, 1995
6)Paley KJ, et al:Arthroscopic findings in the overhand throwing athlete:evidence for posterior internal impingement of the rotator cuff. Arthroscopy 16:35-40, 2000
7)石井壮郎,他:投球動作から病変を予測するシミュレーションシステムの開発.肩関節36:719-724,2012
8)石井壮郎:動作解析からみた投球障害.MB Med Rehabil 157:7-14,2013
9)石井壮郎:投球動作のモーション・シンセサイザ—障害予防をめざした統計モデルの活用.バイオメカニズム会誌39:5-10,2015
10)石井壮郎,他:少年野球選手のための投球動作シミュレーション.千葉スポーツ医学研究会雑誌12:21-25,2015
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