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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル50巻5号

2016年05月発行

文献概要

特集 運動器疾患—エキスパートはこうみる

関節唇損傷と肩関節動作

著者: 山口光國1

所属機関: 1有限会社セラ・ラボ

ページ範囲:P.455 - P.466

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関節唇損傷に対するセラピーの基本的な考え方

 関節唇損傷,特に上部関節唇損傷はSLAP(superior labrum anterior and posterior)とされ,損傷の状態により4つに分類される.タイプⅠは関節唇辺縁が擦り切れた状態,タイプⅡは上方関節唇の損傷と上腕二頭筋の剝離が起きた状態,タイプⅢは関節唇がバケツの柄様に剝がれてしまった状態,タイプⅣは関節唇がバケツの柄様に剝がれ,上腕二頭筋腱にまで損傷が及んでしまった状態であり,タイプⅢ,Ⅳは観血的治療がなされることが多い.

 関節唇の主な役割は,関節の安定化,関節運動の円滑化,衝撃吸収にと働き,さらに,メカノレセプターに富んでいるため,構造的な役割だけではなく,関節窩と骨頭との位置関係を把握するセンサーとして働いていると考える.

参考文献

1)矢内利政:投球動作における体幹(骨盤・胸郭・肩甲骨)の3次元ムチ運動.体育の科学61:484-490,2011
2)山口光國,他:上腕骨位置を基本とした,肩甲帯の運動許容範囲.肩関節33:805-808,2009
3)筒井廣明,他:投球障害肩 こう診てこう治せ.pp54-59,メジカルビュー社,2004
4)筒井廣明:投球障害肩 投球障害肩に対する保存療法 Cuff-Y exercise.新OS NOW 20:130-134,2003
5)鈴木 平,他:気分状態と関連性がみられた手の動作の特徴.感情心理学研究8:1-13,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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