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特集 運動器疾患—エキスパートはこうみる
アキレス腱炎の予防とインソール
著者: 入谷誠1
所属機関: 1足と歩きの研究所
ページ範囲:P.467 - P.480
文献購入ページに移動入谷式足底板は,体幹軸を中心にどちらかに重心の偏りがないかをみることを重要視している.以前よく経験したことであるが,インソールを作製した直後はよい結果が出ても,作製して1週間経つとまた元の状態に戻ってしまうということがあった.筆者は長い年月を経て,局所的な考え方だけではなく,体幹に目を向けるようになった.身体重心位置のズレに着目し,体幹軸を中心に重心の偏りがないか,身体アライメント,身体の姿勢緊張をみることは,長くインソールの効果を維持させるという意味では重要であり,このような考え方で臨床へ向き合うと,明らかに持続性が得られるようになってきた.
アキレス腱炎およびアキレス腱周囲炎,アキレス腱付着部炎の観察において重要な点は,足部構造が強固なタイプと柔軟なタイプがあり,各々のタイプのメカニカルストレスを減じることである.強固な足部では後足部がかなり回外位にあり,柔軟な足部では後足部がかなり回内位にある.この点については後述する.
本稿ではアキレス腱炎のメカニカルストレスについて論述し,その評価方法や入谷式足底板の処方の仕方,テーピングの方法,トレーニング方法について述べることとする.
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