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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル50巻5号

2016年05月発行

文献概要

特集 運動器疾患—エキスパートはこうみる

アキレス腱炎の予防とインソール

著者: 入谷誠1

所属機関: 1足と歩きの研究所

ページ範囲:P.467 - P.480

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はじめに

 入谷式足底板は,体幹軸を中心にどちらかに重心の偏りがないかをみることを重要視している.以前よく経験したことであるが,インソールを作製した直後はよい結果が出ても,作製して1週間経つとまた元の状態に戻ってしまうということがあった.筆者は長い年月を経て,局所的な考え方だけではなく,体幹に目を向けるようになった.身体重心位置のズレに着目し,体幹軸を中心に重心の偏りがないか,身体アライメント,身体の姿勢緊張をみることは,長くインソールの効果を維持させるという意味では重要であり,このような考え方で臨床へ向き合うと,明らかに持続性が得られるようになってきた.

 アキレス腱炎およびアキレス腱周囲炎,アキレス腱付着部炎の観察において重要な点は,足部構造が強固なタイプと柔軟なタイプがあり,各々のタイプのメカニカルストレスを減じることである.強固な足部では後足部がかなり回外位にあり,柔軟な足部では後足部がかなり回内位にある.この点については後述する.

 本稿ではアキレス腱炎のメカニカルストレスについて論述し,その評価方法や入谷式足底板の処方の仕方,テーピングの方法,トレーニング方法について述べることとする.

参考文献

1)江原義弘,他:ボディダイナミクス入門—歩き始めと歩行の分析(Win版3次元動作分析CD-ROM付).医歯薬出版,2002
2)入谷 誠:入谷式足底板—基礎編(DVD付).運動と医学の出版社,2011
3)入谷 誠:インソール(足底板).中嶋寛之(監),福林 徹,他(編):新版スポーツ整形外科学.南江堂,pp582-585,2011
4)入谷 誠:足部評価とインソール.J Clin Phys Ther 16:1-9,2014
5)入谷 誠:筋・腱付着部損傷の治療—インソール.Orthopaedics 27:65-70,2014
6)入谷 誠:生活を支えるインソールの工夫.理学療法学41:505-510,2014
7)入谷 誠:入谷式カウンター作用—徒手誘導とexpanding exercise.身体運動学的アプローチ研究会福岡支部主催,2014年12月6日配布資料,北九州スポーツリハビリテンション専門学校(小倉市)
8)Kapandji IA(著),荻島秀男(監訳),嶋田智明(訳):カパンディ関節の生理学Ⅱ 下肢.医歯薬出版,1986
9)Michael RH, et al:The soleus syndrome. A cause of medial tibial stress(shin splints). Am J Sports Med 13:87-94, 1985
10)Michael OS(著),黒木良克,他(監),入谷 誠(訳):フットファンクション.ダイナゲイト,1996
11)Neumann DA(著),嶋田智明,他(監訳):筋骨格系のキネシオロジー,原著第2版.医歯薬出版,2012
12)Root ML, et al:Normal and abnormal function of the foot—Clinical biomechanincs Volume Ⅱ. Clinial Biomechanics Corporation, Los Angeles, 1977
13)山口光國,他:結果の出せる整形外科理学療法—運動連鎖から全身をみる.メジカルビュー社,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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