文献詳細
文献概要
臨床実習サブノート 臨床実習で患者さんに向き合う準備・12
脊柱管狭窄症
著者: 宮田伸吾1 寺田茂1
所属機関: 1金沢赤十字病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.526 - P.531
文献購入ページに移動はじめに
脊柱管狭窄症は脊柱管,神経根管あるいは椎間孔が骨性または靱帯性要因によって狭小化するために馬尾神経や神経根が障害されてさまざまな症状を呈する病態の総称である1).原因には先天性と後天性があるが,加齢によって起こる退行性のものが多い.脊柱管狭窄症は頸椎や腰椎で起こり,頸椎の場合は頸椎症性脊髄症を指すことがあり,本稿では臨床で担当する機会の多い腰部脊柱管狭窄症を取り上げる.
腰部脊柱管狭窄症は高齢者に多く,身体・認知機能が低下している症例や画像による狭窄部位と神経学的所見が一致しない場合2)があり,臨床での評価や治療を困難にする要因と考える.また治療としては保存療法や手術療法が行われ,理学療法の対応も異なる.本稿ではこれらのことを踏まえながら,臨床実習に必要な知識や準備について述べたい.
脊柱管狭窄症は脊柱管,神経根管あるいは椎間孔が骨性または靱帯性要因によって狭小化するために馬尾神経や神経根が障害されてさまざまな症状を呈する病態の総称である1).原因には先天性と後天性があるが,加齢によって起こる退行性のものが多い.脊柱管狭窄症は頸椎や腰椎で起こり,頸椎の場合は頸椎症性脊髄症を指すことがあり,本稿では臨床で担当する機会の多い腰部脊柱管狭窄症を取り上げる.
腰部脊柱管狭窄症は高齢者に多く,身体・認知機能が低下している症例や画像による狭窄部位と神経学的所見が一致しない場合2)があり,臨床での評価や治療を困難にする要因と考える.また治療としては保存療法や手術療法が行われ,理学療法の対応も異なる.本稿ではこれらのことを踏まえながら,臨床実習に必要な知識や準備について述べたい.
参考文献
1)佐藤公昭:手術適応と時期—腰部脊柱管狭窄症.芝啓一郎(編):脊椎外科の要点と盲点—胸腰椎.pp68-71,文光堂,2006
2)山内かづ代,他:腰部脊柱管狭窄症の病態—脊髄造影における腰部脊柱管狭窄部位と神経学的所見の障害高位に関する検討.日腰痛会誌14:34-39,2008
3)白土 修:腰部脊柱管狭窄症.J Clin Rehabil 21:1177-1186,2012
4)日本整形外科学会,他(監),日本整形外科学会診療ガイドライン委員会,他(編):腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2011.pp2-19,南江堂,2011
5)菊池臣一(編):腰痛,第2版.pp125-140,医学書院,2014
6)安藤哲朗:間欠跛行の症候と鑑別診断.脊椎脊髄ジャーナル31:328-332,2008
7)日本整形外科学会,他(監),日本整形外科学会診療ガイドライン委員会,他(編):腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2011.pp42-63,南江堂,2011
8)西良浩一(編):OS NEXUS(電子版付き)2 頸椎・腰椎の後方除圧術.pp114-190,メジカルビュー社,2015
9)萩野 浩:骨粗鬆症.J Clin Rehabil 21:1160-1167,2012
10)菊池臣一(編):腰痛,第2版.p358,医学書院,2014
11)田島泰裕:胸腰椎・胸腰髄疾患と理学療法.PTジャーナル48:1025-1033,2014
12)Götz-Neumann K(著),月城慶一(訳):観察による歩行分析.pp172-175,医学書院,2005
13)石井美和子:多関節運動連鎖からみた腰部の保存的治療戦略—理学療法士の立場から.井原秀俊,他(編):多関節運動連鎖からみた変形性関節症の保存療法—刷新的理学療法.pp68-70,全日本病院出版会,2008
14)宮本直和:骨格筋への外的圧迫およびその強度が発揮筋力に及ぼす影響とその機序の解明.デサントスポーツ科35:31-36,2014
15)石井慎一郎:動作分析 臨床活用講座—バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践.pp168-239,メジカルビュー社,2013
16)伊藤俊一:腰部脊柱管狭窄症.中山彰一,他(編)図解理学療法技術ガイド,第4版.pp912-920,文光堂,2014
17)Whitman JM, et al:A comparison between two physical therapy treatment programs for patients with lumbar spinal stenosis:a randomized clinical trial. Spine(Phila Pa 1976) 31:2541-2549, 2006
18)林 典雄,他:馬尾性間欠跛行に対する運動療法の効果.日腰痛会誌13:165-170,2007
19)赤羽根良和,他:高度な脊柱管狭窄症により馬尾障害,神経根障害の混合型を呈した症例に対する運動療法の小経験.整外リハ会誌10:111-114,2008
20)鈴木重行(編):IDストレッチング,第2版.三輪書店,p7,2006
21)福井 勉,他:結果の出せる整形外科理学療法—運動連鎖から全身をみる.pp76-84,メジカルビュー社,2009
掲載誌情報