文献詳細
文献概要
入門講座 症例を担当するということ・4
ゴール達成のためにやり抜く
著者: 廣谷和香1
所属機関: 1千里リハビリテーション病院
ページ範囲:P.589 - P.594
文献購入ページに移動はじめに
多くの場合,病は突然にやってくる.これまでの日常が非日常となり,当たり前にできていたことが突如としてできなくなる.われわれ医療従事者がひと言で「生活」と称することは簡単だが,そこには患者それぞれに築いてきたものがあり,それを失うことによる喪失感は計り知れないものがある.
リハビリテーション医療とは,治療を通じて,そうした患者自身の本来ある生活を継続して行えるよう援助していくことに大きな意義がある.しかし疾患の重症度や患者のパーソナリティ,取り巻く環境も異なるため,個別化されたゴールを一辺倒の方法で達成することは困難を極める.
そこで本稿では,ゴール達成の要素として,① いかに情報を客観的に捉え,ゴール設定を行うこと,② 段階的な課題の達成とゴール設定の見直し,③ チームアプローチ,④ 生活を継続できる援助体制の構築,といった論理的思考と,それを支える感情的思考の重要性について述べる.
多くの場合,病は突然にやってくる.これまでの日常が非日常となり,当たり前にできていたことが突如としてできなくなる.われわれ医療従事者がひと言で「生活」と称することは簡単だが,そこには患者それぞれに築いてきたものがあり,それを失うことによる喪失感は計り知れないものがある.
リハビリテーション医療とは,治療を通じて,そうした患者自身の本来ある生活を継続して行えるよう援助していくことに大きな意義がある.しかし疾患の重症度や患者のパーソナリティ,取り巻く環境も異なるため,個別化されたゴールを一辺倒の方法で達成することは困難を極める.
そこで本稿では,ゴール達成の要素として,① いかに情報を客観的に捉え,ゴール設定を行うこと,② 段階的な課題の達成とゴール設定の見直し,③ チームアプローチ,④ 生活を継続できる援助体制の構築,といった論理的思考と,それを支える感情的思考の重要性について述べる.
参考文献
1)伊勢眞樹,他:脳卒中の障害学に基づくリハビリテーション科専門医のゴール設定.PTジャーナル44:101-113,2010
2)岩田健太郎:岩田健太郎の考・え・るナース—感情豊か,感性たっぷりのロジカルシンキング.エキスパートナース31:133-135,2015
3)内山 靖:脳卒中の病態評価と解釈による理学療法士のゴール設定—急性期から回復期.PTジャーナル44:115-121,2010
4)鯨岡栄一郎:理学療法士における患者の動機づけを向上させる技術.PTジャーナル48:305-311,2014
5)澤田富雄:やり抜く強い意志で目標に挑み実績を上げて自信をつける.人事実務1116:66-67,2012
6)丹波義明:理学療法臨床実習生に対する脳卒中のゴール設定指導.PTジャーナル44:131-136,2010
7)森 正文,他:いつも「目標を達成する人」の仕事術.The 21 282:18-47,2008
8)吉尾雅春:スタッフをその気にさせるリーダーシップ.PTジャーナル46:967-971,2012
9)吉尾雅春:脳卒中急性期理学療法に期待すること—回復期の立場から.PTジャーナル47:487-501,2013
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