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特集 被殻出血と理学療法
内上方に拡がる被殻出血と理学療法
著者: 森下一幸1
所属機関: 1浜松市リハビリテーション病院リハビリテーション部
ページ範囲:P.643 - P.652
文献購入ページに移動被殻出血は脳出血の約40%を占め,高血圧性脳出血の代表的な病型とされている1).ヒトの脳は複雑でお互い強く影響し合う回路網で結ばれており,脳卒中により麻痺が生じた状態では運動を指令したり,姿勢を制御したりする回路が途中で伝わらなくなる,あるいは伝わりにくくなることが生じる.結果,環境との相互作用において自律的あるいは自動化された身体反応としての「運動」が行えなくなり,その結果として動作・行為が行えなくなる2).本稿では,被殻出血の理学療法,特に「内上方に拡がる被殻出血」について,大脳基底核,皮質網様体路など被殻出血により障害される周辺神経路の影響も考慮しつつ,臨床でのかかわりについて実例を挙げてまとめてみたい.
なお,症例については本掲載に関しての説明を書面にて行い同意を得ている.
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