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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル50巻7号

2016年07月発行

文献概要

特集 被殻出血と理学療法

少量の被殻出血と理学療法

著者: 遠藤正英1 脇坂成重1 横山勝則1 川﨑恭太郎1 田代耕一1 猪野嘉一1

所属機関: 1桜十字福岡病院リハビリテーション部

ページ範囲:P.659 - P.665

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はじめに

 脳出血の好発部位として被殻が挙げられる.被殻の周辺には内包,淡蒼球などがあり,出血の進展の仕方によってさまざまな病態を呈する.さらに画像所見上,重度の麻痺を呈さないと思われる少量の出血においても,重度の麻痺を生じることがある.これは被殻に生じた少量の出血でも淡蒼球・内包に出血が進展し,錐体路・錐体外路症状が絡み合い重度麻痺が生じているためと考えられる.そのため理学療法を実施するにあたり臨床所見だけでなく,脳の画像所見を含めて患者の病態を正確に捉える必要がある.本稿では少量の被殻出血による病態と理学療法について症例を交えて述べる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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