icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル50巻8号

2016年08月発行

文献概要

特集 社会の要請に応える理学療法教育

社会の要請に応える理学療法学教育

著者: 内山靖1

所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科

ページ範囲:P.713 - P.722

文献購入ページに移動
専門職が社会で果たすべき役割

 専門職(profession)とは,継続的な学びと公益的な実践に誓い(profess)を立てた者で,神学者,法律家,医療者などが該当する.専門職は,卓越した知識と技能を有し,高い倫理観のもとで,たとえ解決が困難な課題であっても真摯に対応しようとする態度を有し,広く社会に貢献する取り組みが求められる.

 専門職は社会と3重の契約をしていると言われる.1つ目にはよき市民であることで,2つ目には一人の専門職として個別の対象者へ十分な帰結と満足感を提供することで,3つ目には専門職集団として社会の要請に応えることである.集団には,病院・施設,教育研究機関,学会,協会などが該当する.専門職は社会に対してその要請に応える革新と発信を続け,社会は専門職に対して一般市民とは異なる行為を許容(医師であれば人体に侵襲的な処置を加えること)するなど適正に処遇・認知する.これらのことから,専門職には,① 高い自律性と倫理観,② 社会のニーズを察して要請に応える態度,③ 社会が必要とする新たな情報や解決方法の創造と実践,の3つが重要な要素となる1)

参考文献

1)内山 靖:理学療法学序説.内山 靖(編):標準理学療法学 専門分野—理学療法学概説.pp2-30,医学書院,2014
2)経済産業省:医療の国際化国際化の調査・報告書一覧.http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/report_kokusaika.html(2016年6月20日閲覧)
3)文部科学省:教育振興基本計画.http://www.mext.go.jp/a_menu/keikaku/detail/1336379.htm(2016年6月20日閲覧)
4)久保田正志:規制改革の経緯と今後の展望.立法と調査299:3-15,2009
5)遠藤文雄:理学療法士作業療法士の需給計画見直しに関する意見書及び理学療法士作業療法士のカリキュラムの改正についての意見書.理学療法学16:133-137,1989
6)日本学術会議 提言・報告等(勧告):リハビリテーションに関する教育・研究体制について.http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/division-3.html(2016年6月20日閲覧)
7)中央教育審議会:我が国の高等教育の将来像(答申).http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/05013101.htm(2016年6月20日閲覧)
8)リクルート進学総研:高校生に関する調査.http://souken.shingakunet.com/research/2010/07/post-e53f.html(2016年6月20日閲覧)
9)ベネッセ総合教育研究所:高大接続に関する調査.http://berd.benesse.jp/koutou/research/detail1.php?id=4338(2016年6月20日閲覧)
10)文部科学省:大学の設置等に係る提出書類の作成の手引き(平成28年度改訂版).http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ninka/1365268.htm(2016年6月20日閲覧)
11)文部科学省:国公私立大学を通じた大学教育再生の戦略的推進.http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/(2016年6月20日閲覧)
12)一般社団法人全国大学理学療法学教育学会:大学院における理学療法教育の課題と将来展望.一般社団法人全国大学理学療法学教育学会,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?