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特集 重症下肢虚血と理学療法
足部潰瘍の自己管理指導の実際
著者: 松本純一1
所属機関: 1IMSグループ春日部中央総合病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.833 - P.838
文献購入ページに移動重症下肢虚血(critical limb ischemia:CLI)は,末梢動脈疾患の重症型であり,安静時疼痛や潰瘍・壊疽が生じる1).CLIの治療ではやむなく下肢切断を施行される場合がある1,2).しかし近年血行再建,創傷治療,再生医療の発展などにより,切断部位を最小限とし下肢を温存する“救肢”が可能となってきた.救肢できたCLI患者の在宅復帰をめざすべく,CLI患者のリハビリテーション介入の必要性が高まっている3).心臓リハビリテーションや呼吸リハビリテーション,運動器リハビリテーションを実施する際には血圧,脈拍,心電図,酸素飽和度などをモニターし,各疾患におけるリスク管理を行いながら介入を行う必要がある.一方,CLI患者では循環動態だけでなく,創傷部位のリスク管理をしながらリハビリテーション介入を行う必要がある.
CLIは血流障害に伴い創に対する治癒能力が低く,特に糖尿病が併存している場合は再発しやすいため,再発予防のための自己管理指導は重要である.
本稿では,CLI患者のリハビリテーションにおける創傷発生へのリスク管理と再発予防について,春日部中央総合病院(以下,当院)で実際に取り組んでいる内容を含めて解説する.
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