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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル50巻9号

2016年09月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法関連用語〜正しい意味がわかりますか?

疾患群別予後予測モデル(Lynn Jの軌道モデル)

著者: 平原佐斗司1

所属機関: 1東京ふれあい医療生協梶原診療所

ページ範囲:P.871 - P.871

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 Lynnらは終末期の疾患軌道を,「がんなどのモデル」,「心肺疾患などの臓器不全モデル」,「認知症・老衰などのモデル」の3つに分類した(図).

 がんの軌道の最大の特徴は,再発したがんは多くが治癒不可能であること,最期の1,2か月で急速に全般的機能が低下することである.がんは,原発巣や種類が違っても,症状や臨床経過において一定の共通性・法則性が認められ,それらは終末期になるほど顕在化する.進行したがんは侵害受容器や神経に浸潤し,比較的早期から疼痛が出現し,疼痛は増強しながら長期に持続する.そして,原発巣や転移臓器でのがんの増殖により呼吸不全,麻痺,肝不全など臓器の機能不全を起こす.最期には異常な内分泌・代謝状態である悪液質を引き起こし,だるさや食思不振,痩せなど共通した全身症状が出現する.この全身状態の変化に着目すれば,がんの予後の予測は可能であり,実際にいくつかの信頼できる予後予測指標が開発されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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