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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル51巻1号

2017年01月発行

文献概要

特集 多職種で取り組むがん診療と理学療法

骨転移患者に対する多職種チームアプローチの意義と理学療法士の役割

著者: 北原エリ子1

所属機関: 1順天堂大学医学部附属順天堂医院リハビリテーション室

ページ範囲:P.27 - P.33

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はじめに

 がんサバイバーが500万人を超える時代を迎え,がんの診断早期から終末期までさまざまな病期において,患者の運動機能を改善し,QOLを回復・維持することがリハビリテーションに求められている1).臨床においてがんと診断された患者の10〜20%に骨転移が発見されると言われており2),骨転移患者に対するリハビリテーションへのニーズが高まっている.がん・骨転移の治療をしながら病的骨折や脊髄圧迫による神経症状などの骨関連事象(skeletal related events:SRE)発生のリスクを管理し,身体機能とQOLを向上するリハビリテーションを実践するためには,多職種で病態,リスク,ニーズなどの情報を共有し,目標を設定・検討する体制が必要である.

 本稿では,まず順天堂医院(以下,当院)で実践しているSREチームの活動を紹介し,次に理学療法士に必要な骨転移に関する基礎知識について述べる.そして骨転移患者に対する理学療法の実際について述べ,最後にチームのなかで理学療法士が果たすべき役割について記す.

参考文献

1)辻 哲也:ガイドライン策定の経緯とその後の動向.Jpn J Rehabil Med 53:110-114,2016
2)高木辰哉:転移性骨腫瘍の診療戦略.Jpn J Rehabil Med 53:551-559,2016
3)Fourney DR, et al:Spinal instability neoplastic score:an analysis of reliability and validity from the spine oncology study group. J Clin Oncol 29:3072-3077, 2011
4)Mirels H:Metastatic disease in long bones. A proposed scoring system for diagnosing impending pathologic fractures. Clin Orthop Relat Res 249:256-264, 1989
5)Katagiri H, et al:New prognostic factors and scoring system for patients with skeletal metastasis. Cancer Med 3:1359-1367, 2014
6)Tokuhashi Y, et al:A revised scoring system for preoperative evaluation of metastatic spine tumor prognosis. Spine(Phila Pa 1976) 30:2186-2191, 2005
7)北原エリ子:痛みや骨折のリスクを減らす動作法,介助法の検討について.大森まいこ(松本真似子),他(編):骨転移の診療とリハビリテーション.pp148-155,医歯薬出版,2014
8)有賀悦子,他(監):運動器マネジメントが患者の生活を変える! がんの骨転移ナビ.医学書院,2016
9)大森まいこ(松本真似子),他(編):骨転移の診療とリハビリテーション.医歯薬出版,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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