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特集 多職種で取り組むがん診療と理学療法
骨転移患者に対する多職種チームアプローチの意義と理学療法士の役割
著者: 北原エリ子1
所属機関: 1順天堂大学医学部附属順天堂医院リハビリテーション室
ページ範囲:P.27 - P.33
文献購入ページに移動がんサバイバーが500万人を超える時代を迎え,がんの診断早期から終末期までさまざまな病期において,患者の運動機能を改善し,QOLを回復・維持することがリハビリテーションに求められている1).臨床においてがんと診断された患者の10〜20%に骨転移が発見されると言われており2),骨転移患者に対するリハビリテーションへのニーズが高まっている.がん・骨転移の治療をしながら病的骨折や脊髄圧迫による神経症状などの骨関連事象(skeletal related events:SRE)発生のリスクを管理し,身体機能とQOLを向上するリハビリテーションを実践するためには,多職種で病態,リスク,ニーズなどの情報を共有し,目標を設定・検討する体制が必要である.
本稿では,まず順天堂医院(以下,当院)で実践しているSREチームの活動を紹介し,次に理学療法士に必要な骨転移に関する基礎知識について述べる.そして骨転移患者に対する理学療法の実際について述べ,最後にチームのなかで理学療法士が果たすべき役割について記す.
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