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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル51巻1号

2017年01月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法関連用語〜正しい意味がわかりますか?

コンプライアンス

著者: 明日徹1

所属機関: 1産業医科大学若松病院リハビリテーション部

ページ範囲:P.57 - P.57

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 コンプライアンス(compliance)の語源は,動詞のコンプライ(comply)で「(何かに)応じる・従う・守る」であることから,コンプライアンスは「(何かに)応じること・従うこと・守ること」を意味し,一般的には,「法令遵守」と直訳されている.

 歴史的には,1960年代の米国において,企業,団体,組織が独占禁止法の違反などさまざまな法令違反を行っていた.その対策として企業,団体,組織は,独自に対策プログラムを作成・実践することとなり,そうした法令遵守という意味をもつ用語として,ビジネスの世界において浸透していったと言われている.わが国でこの用語が重要視されるようになったのは,2000年代以降のことである.規制緩和により民間企業の参入が促され,競争による市場活性化や経済成長を図る戦略が強く意識されてきた.しかし,さまざまな不正の発覚により,法令を守るだけでなく,社会的責任を認識し,社会的な倫理,道徳,組織の規定や規則を守り社会人として当たり前の常識をもち,行動することへの対応が余儀なくされ,コンプライアンスが重要視されてきた.コンプライアンスの対象となる規範には,① 法規範(法律,条令,その他政府の規則など),② 社内規範(社内ルール,業務マニュアルなど),③ 倫理規範(企業倫理,社会的規範など)が挙げられる.

参考文献

1)小山 樹:安全管理—理学療法におけるコンプライアンス.PTジャーナル48:917-926,2014
2)World Health Organization:Adherence to long-term therapies:evidence for action, 2003. http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/42682/1/9241545992.pdf(2016年8月25日閲覧)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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