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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル51巻10号

2017年10月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法関連用語〜正しい意味がわかりますか?

関節筋

著者: 吉尾雅春1

所属機関: 1千里リハビリテーション病院

ページ範囲:P.903 - P.903

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 ヒトの関節内圧は陰圧であるが,関節運動によりその内圧は変化する.関節包はその関節の内圧に影響を受ける.運動によって通常よりもさらに陰圧になったとき,関節包は関節のなかに吸い込まれ,あるいは巻き込まれてしまう可能性がある.それを防ぐために,主な関節には最深層の筋線維を関節包に停止する「関節筋,あるいは関節包筋」が存在している.一般的に骨格筋の主な機能は ① 姿勢の維持,② 関節を介した運動,③ 熱の産生として説明されるが,上記のように関節包を保護する,という重要な機能ももつ.

 膝蓋骨の動きが絡む膝関節上前方では関節包の大きな伸縮性を求められることから,中間広筋深層の筋線維が膝蓋上包に停止して関節包を保護している.膝関節筋として位置づけられている.膝関節後方では関節筋として腓腹筋内側・外側頭,足底筋が挙げられる.ただし,膝関節の安定性にかかわる後方や側方の関節包は線維性で強力であり,膝窩靱帯により補強されており,半月にも付着していることから関節内に巻き込まれる危険性は比較的低い.筋線維が関節を跨がない足関節では,腱と関節包とが一部接着して腱の滑走により関節包が保護されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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