icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル51巻11号

2017年11月発行

文献概要

特集 多分野に広がる理学療法

姿勢改善をめざすベルトおよびウエア開発—Reebokとの共同開発

著者: 柿崎藤泰1

所属機関: 1文京学院大学大学院保健医療科学研究科

ページ範囲:P.963 - P.966

文献購入ページに移動
はじめに—「ウエア」づくりのバックグラウンド

 筆者はこれまで「臨床結果に基づき世の中にないものであったほうがよいものは,つくればよい」,そのようなコンセプトを抱き,日々この理学療法という仕事に従事してきた気がする.特にこのような考え方は目新しくもないと思うが,その背景には最初に入職した職場の独特な文化の影響があると考える.特に強要されたわけではないが,自分自身のアイデンティティを強く持ち続けることの重要性を感じた.それを見出していけることの可能性を見出したのが「姿勢」というキーワードであった.

 理学療法士が病態を的確に捉え,問題解決に導くことに成功した場合には,必ずと言っていいほど姿勢や歩行をはじめとする動作に調和が生まれる.このような技術は世の中に存在するさまざまな技術に照らし合わせて考えてみても,引けをとらない固有の技術であると考える.

 しかし,そのまま良好な状態を維持できる方もいれば,この技術をもってしても維持できない方も存在する.理想的な理学療法を実施したという条件があっても,身体に加わる生活負荷や心理的要素などの影響で個人が有している能力に応じ出てくる結果が異なる.いずれのケースにおいても,理学療法によって引き上げることのできた機能や能力を維持できる工夫,そして,その前に理学療法の質のさらなる向上につながる工夫はないものかと模索していた.

参考文献

1)Homma Y, et al:Improvement in the 6-minute walking distance by fastening Posture Stability System Belts in COPD patients. AARC Congress, 2014
2)柿崎藤泰(編):胸郭運動システムの再建法—呼吸運動再構築理論に基づく評価と治療,第2版.ヒューマンプレス,2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら