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特集 多分野に広がる理学療法
姿勢改善をめざすベルトおよびウエア開発—Reebokとの共同開発
著者: 柿崎藤泰1
所属機関: 1文京学院大学大学院保健医療科学研究科
ページ範囲:P.963 - P.966
文献購入ページに移動筆者はこれまで「臨床結果に基づき世の中にないものであったほうがよいものは,つくればよい」,そのようなコンセプトを抱き,日々この理学療法という仕事に従事してきた気がする.特にこのような考え方は目新しくもないと思うが,その背景には最初に入職した職場の独特な文化の影響があると考える.特に強要されたわけではないが,自分自身のアイデンティティを強く持ち続けることの重要性を感じた.それを見出していけることの可能性を見出したのが「姿勢」というキーワードであった.
理学療法士が病態を的確に捉え,問題解決に導くことに成功した場合には,必ずと言っていいほど姿勢や歩行をはじめとする動作に調和が生まれる.このような技術は世の中に存在するさまざまな技術に照らし合わせて考えてみても,引けをとらない固有の技術であると考える.
しかし,そのまま良好な状態を維持できる方もいれば,この技術をもってしても維持できない方も存在する.理想的な理学療法を実施したという条件があっても,身体に加わる生活負荷や心理的要素などの影響で個人が有している能力に応じ出てくる結果が異なる.いずれのケースにおいても,理学療法によって引き上げることのできた機能や能力を維持できる工夫,そして,その前に理学療法の質のさらなる向上につながる工夫はないものかと模索していた.
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