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1ページ講座 理学療法関連用語〜正しい意味がわかりますか?
エイリアンハンド徴候(alien hand sign)
著者: 網本和1
所属機関: 1首都大学東京大学院人間健康科学研究科
ページ範囲:P.1017 - P.1017
文献購入ページに移動AHSのサブタイプとして,責任病巣が脳梁に限局する場合と前頭葉内側面損傷を伴う場合とに分け,脳梁型と前頭葉型に分類される.脳梁型では非利き手(左手)に拮抗失行が生じるとされ,例えば右手で服を着ようとすると左手が同時に脱がしてしまう現象が起こる.拮抗失行で認められる左手の運動には右手と逆の動きだけでなく,無関係な運動,右手に先行するような動き,両手を必要とするときに左手の運動が生起しない場合などが知られており,また左手の失書,触覚性呼名障害などの脳梁離断症状が伴うが,把握反射は随伴しないとされる.拮抗失行の責任病巣は脳梁膝部が重視されている.一方,前頭葉型では利き手(右手)に道具の強迫使用が起こり,例えば眼前にある櫛を(使わないように指示されているにもかかわらず)右手が意思に逆らってこれを使って髪をといてしまう症状があらわれる.右手には把握反射,本能性把握反応を伴っているが,左手には一側性観念失行などの脳梁離断症状が伴うことは少ないとされる.道具の強迫使用の責任病巣は左前頭葉内側面,補足運動野,前部帯状回および脳梁とされている3).
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