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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル51巻12号

2017年12月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法関連用語〜正しい意味がわかりますか?

マイオカイン

著者: 永富良一1

所属機関: 1東北大学大学院医工学研究科健康増進医工学分野

ページ範囲:P.1109 - P.1109

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 骨格筋から分泌されるサイトカインをマイオカインと言う.サイトカインは細胞から分泌される糖蛋白やペプチドの総称であり,多くの種類がある.血液や細胞外液を介してそれぞれに特異的な受容体に結合する.結合が起こると受容体が持つ酵素活性の誘導や他の細胞内調節因子との連鎖的な反応が起こり,遺伝子発現調節をする転写調節因子や細胞の機能調節経路が活性化し,新たな蛋白質合成や細胞機能の変化などが起こる.当初,免疫系の調節因子として探究が進んだ結果,多くのサイトカインが白血球間活性化物質インターロイキン(Interleukin:IL)の名を冠している.しかしその後免疫系以外の機能も明らかになり細胞間活性化因子サイトカインが用いられるようになった.産生臓器以外の臓器(遠隔臓器)に作用するホルモンとの異同については曖昧である.サイトカインには遠隔臓器への作用,近隣の細胞群へのパラクライン作用や分泌細胞自体へのオートクライン作用がある.

 現在では骨格筋の収縮に伴って分泌されるマイオカインは300種類以上あると言われている.その多くが運動や身体活動と関連して脂肪細胞からも分泌されることから,アディポマイオカインと言われることもある.以下に代表的なマイオカインを紹介する.

参考文献

1)Pedersen BK:Muscles and their myokines. J Exp Biol 214:337-346, 2011
2)Perakakis N, et al:Physiology and role of irisin in glucose homeostasis. Nat Rev Endocrinol 13:324-337, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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