文献詳細
文献概要
特集 理学療法と下肢装具
短下肢装具の歩行への影響
著者: 昆恵介1
所属機関: 1北海道科学大学保健医療学部義肢装具学科
ページ範囲:P.301 - P.309
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1.装具に必要な下肢装具の役割
歩行を目的とした場合の下肢装具の最大の目的は,運動の自由度を制約し,運動制御を単純化することである.股関節では屈曲-伸展軸,内転-外転軸,内旋-外旋軸の3自由度,膝関節は屈曲-伸展軸の1自由度,足関節は底屈-背屈軸,回内-回外軸,内転-外転軸の3自由度が基本となり,下肢全体で7自由度の制御を行っている.
例えば足関節固定の短下肢装具を考えると,3自由度を制約したことになり,運動制御は股関節と膝関節の4自由度で行うことになる.また,長下肢装具を用いた場合では,股関節の3自由度のみの運動制御を行えばよく,運動制御が単純化される.
1.装具に必要な下肢装具の役割
歩行を目的とした場合の下肢装具の最大の目的は,運動の自由度を制約し,運動制御を単純化することである.股関節では屈曲-伸展軸,内転-外転軸,内旋-外旋軸の3自由度,膝関節は屈曲-伸展軸の1自由度,足関節は底屈-背屈軸,回内-回外軸,内転-外転軸の3自由度が基本となり,下肢全体で7自由度の制御を行っている.
例えば足関節固定の短下肢装具を考えると,3自由度を制約したことになり,運動制御は股関節と膝関節の4自由度で行うことになる.また,長下肢装具を用いた場合では,股関節の3自由度のみの運動制御を行えばよく,運動制御が単純化される.
参考文献
1)Perry J,他(著),武田 功,他(監訳):ペリー歩行分析—正常歩行と異常歩行,原著第2版.医歯薬出版,2012
2)髙木治雄:脳卒中片麻痺の積極的装具療法の進め方.PTジャーナル45:201-208,2011
3)春原弘一,他:油圧制動短下肢装具Gait Solutionの継続使用による脳血管障害片麻痺者の歩行変化.理学療法科学26:673-677,2011
4)山本澄子,他:背屈補助付短下肢装具(DACS AFO)の第一次モニター使用評価(その1)—使用者アンケートとハードウエアの改良について.日義肢装具会誌14:295-306,1998
5)岩崎満男,他:各種プラスチックAFOの特性比較—下肢に装着した状態での可撓性の計測.日義肢装具会誌7:313-320,1991
6)Duncan WR:Tonic reflexes of the foot. Their orthopaedic significance in normal children and in children with cerebral palsy. J Bone Joint Surg Am 42:859-868, 1960
7)昆 恵介,他:底屈制動短下肢装具内の踵パッドが歩行動作に及ぼす影響.バイオメカニズム会誌36:226-233,2012
8)昆 恵介,他:片麻痺者に対してのインソール装着による歩容改善のアプローチと分析評価.POアカデミージャーナル16:35-39,2008
9)昆 恵介,他:運動ニューロン疾患に対する新規装具設計法.臨歩行分析研会誌2:1-9,2015
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