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1ページ講座 理学療法関連用語〜正しい意味がわかりますか?
軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI)
著者: 佐藤厚1
所属機関: 1新潟リハビリテーション大学医療学部リハビリテーション学科言語聴覚学専攻
ページ範囲:P.343 - P.343
文献購入ページに移動 軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI)という概念はFlickerら1)によってはじめに用いられた.その後変遷を経ながら,現在一般的に使用されている概念はPetersenら2)によって提唱されたものであり,正常老化と認知症との間に位置する臨床的状態を捉えることを目的としている.臨床的予後は一様ではなく,MCIから回復せず認知症へ移行する早期発症型,いったん正常に回復する,ないしは長期間MCIを維持して認知症へ移行する遅延発症型,MCIから正常に回復する非発症型に分けられる.朝田3)によるとMCIの全国有病率推定値は13%であり,全国のMCI有病者数は約400万人と推定される.
MCIの判定は,① 認知機能は正常とは言えないが認知症の診断基準も満たさない,② 本人または情報提供者から認知機能低下の訴えがある,③ 複雑なADLの障害は最小限にとどまり,基本的な日常生活機能は正常である,という基準を満たす必要がある.
MCIの判定は,① 認知機能は正常とは言えないが認知症の診断基準も満たさない,② 本人または情報提供者から認知機能低下の訴えがある,③ 複雑なADLの障害は最小限にとどまり,基本的な日常生活機能は正常である,という基準を満たす必要がある.
参考文献
1)Flicker C, et al:Mild cognitive impairment in the elderly:predictors of dementia. Neurology 41:1006-1009, 1991
2)Petersen RC, et al:Mild cognitive impairment as a clinical entity and treatment target. Arch Neurol 62:1160-1163, 2005
3)朝田 隆:軽度認知障害(MCI).認知神科学11:252-257,2009
4)朝田 隆,他:都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応.厚生労働科学研究費補助金 認知症対策総合研究事業 平成23年度〜平成24年度総合研究報告書,2013
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