文献詳細
特集 歩行の安全性
文献概要
はじめに
平均寿命の延伸とともに,誰もが老いて虚弱な期間を迎えることが普通となった.残された機能を積極的に生かしながら,生活全体の質を高めるために,介護予防,医療介護連携,住まいの整備など地域包括ケアシステムの構築が進められ,地域ケア会議を軸に市民の自立を支援する取り組みが進められている.
日常生活活動(ADL),手段的日常生活活動(instrumental activities of daily living:IADL)において,例えばトイレまでの歩行や,脱水された洗濯物を運ぶ作業として歩行できることは重要である.また,再発予防や疾病管理のために退院後にはウォーキングを勧める場合などはその安全性に配慮する必要もある.急性期・回復期病院退院時には,予後予測をもとに丁寧な自立を支援する情報提供が必要である.本稿では,いかに安全に歩行を移動手段として用いるか,いかに効率よく歩行を運動として継続するか,という視点で退院前訪問での地域支援について述べる.
平均寿命の延伸とともに,誰もが老いて虚弱な期間を迎えることが普通となった.残された機能を積極的に生かしながら,生活全体の質を高めるために,介護予防,医療介護連携,住まいの整備など地域包括ケアシステムの構築が進められ,地域ケア会議を軸に市民の自立を支援する取り組みが進められている.
日常生活活動(ADL),手段的日常生活活動(instrumental activities of daily living:IADL)において,例えばトイレまでの歩行や,脱水された洗濯物を運ぶ作業として歩行できることは重要である.また,再発予防や疾病管理のために退院後にはウォーキングを勧める場合などはその安全性に配慮する必要もある.急性期・回復期病院退院時には,予後予測をもとに丁寧な自立を支援する情報提供が必要である.本稿では,いかに安全に歩行を移動手段として用いるか,いかに効率よく歩行を運動として継続するか,という視点で退院前訪問での地域支援について述べる.
参考文献
1)竹村 仁,他:呼吸器・心大血管疾患における在宅理学療法の可能性.PTジャーナル47:781-786,2013
2)大分県福祉保健部高齢者福祉課:自立支援型通所サービス生活機能向上支援マニュアル,2014.http://www.pref.oita.jp/soshiki/12300/seikatukinoukoujyou.html(2017年3月28日閲覧)
3)大分県福祉保健部高齢者福祉課:自立支援ヘルパー実務マニュアル,2015.http://www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/1022453.pdf(2017年3月28日閲覧)
4)和田昌一,他:転倒予防のための歩行補助具選択に関する検討(第一報).日職災医誌54:188-192,2006
5)安心院朗子,他:歩行補助車を使用している高齢者の外出状況と交通上の課題.IATSS Review 35:131-138,2010
6)本田祐一,他:心臓リハビリテーションにおける退院前訪問指導による歩行路決定の有効性についての検討.心臓リハ17:257-260,2012
7)大場瞬一,他:退院前訪問による歩行路決定は退院3か月後の運動耐容能を向上させ動脈硬化を抑制する.第22回日本心臓リハビリテーション学会抄録集,2016
掲載誌情報