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文献概要
甃のうへ・第46回
感じることを大切に
著者: 堀口遥1
所属機関: 1舞鶴共済病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.434 - P.434
文献購入ページに移動発症3週の回復期の時期,まだ障害受容の否認期の最中「歩けますかね」と,私を不安そうにみつめるその表情を,今も忘れることができません.私は予後予測に従い,平行棒外歩行不能であった女性に「1か月後に病院内を自由に歩きましょう」と話をしました.そしてさまざまな方法のなかから,荷重連鎖障害への対応として下肢抗重力機構の賦活,また歩行の難易度調整を図りながら行う運動学習を可能にするツールの一つであるプラスチック製長下肢装具(plastic knee-ankle-foot orthosis:P.KAFO)を作製し,完成後は1日約2時間の練習時間を使い理学療法を行いました.その結果,発症4週(装具療法開始1週)で10m歩行19.6秒,7週(装具療法開始4週)で8.2秒となり,自立歩行獲得の段階で2nd stage recoveryのピークへと向かっていくこととなりました.
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