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文献概要
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書評 —山口美和●著—「—PT・OTのための—これで安心 コミュニケーション実践ガイド(第2版)」
著者: 小川克巳1
所属機関: 1日本理学療法士協会
ページ範囲:P.450 - P.450
文献購入ページに移動 本書は,理学療法士や作業療法士が職務上求められるコミュニケーション力,すなわち療法士と患者や利用者,そのご家族など,またはスタッフ間における人間間コミュニケーションに焦点を当てており,それを習得するための導入から実践場面を想定した意思疎通のあり方までを具体的に解説しています.
私は33年間,養成施設で後進の育成に携わってきましたが,入学後の学生の課題は,以前の基礎学力や学習力から,人間関係や信頼関係の構築という課題へと変わってきました.特に学びの最終段階である臨床実習という対人スキルがその成否を左右する場面では,そうした課題が顕在化するため,学生指導上,教員や臨床実習指導者の悩みの種となっています.コミュニケーション力は良好な対人関係構築に大きくかかわってくるため,特に医療職にとってはきわめて重要な基本的資質とされます.私たちはさまざまな身体的・精神的不調に悩む方々を対象とし,その方々から生身の,また時には声にならない「声」を引き出し,それを専門職として解釈したうえで対応しなければなりません.病める方々の真の訴えを引き出し,十二分に理解する力が求められます.相手を理解し受け止めたうえで,自分は何をどう伝えるかを意識化するには,著者が指摘するとおり,まず自己の確立が必要となります.
私は33年間,養成施設で後進の育成に携わってきましたが,入学後の学生の課題は,以前の基礎学力や学習力から,人間関係や信頼関係の構築という課題へと変わってきました.特に学びの最終段階である臨床実習という対人スキルがその成否を左右する場面では,そうした課題が顕在化するため,学生指導上,教員や臨床実習指導者の悩みの種となっています.コミュニケーション力は良好な対人関係構築に大きくかかわってくるため,特に医療職にとってはきわめて重要な基本的資質とされます.私たちはさまざまな身体的・精神的不調に悩む方々を対象とし,その方々から生身の,また時には声にならない「声」を引き出し,それを専門職として解釈したうえで対応しなければなりません.病める方々の真の訴えを引き出し,十二分に理解する力が求められます.相手を理解し受け止めたうえで,自分は何をどう伝えるかを意識化するには,著者が指摘するとおり,まず自己の確立が必要となります.
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