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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル51巻6号

2017年06月発行

文献概要

特集 理学療法士のはたらき方

女性理学療法士の職場環境と課題

著者: 岩﨑裕子1

所属機関: 1YMCA米子医療福祉専門学校理学療法士科

ページ範囲:P.499 - P.505

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はじめに

 日本の理学療法士は,以前は男性が多く,女性は圧倒的に少なかった.しかし,次第に女性の割合が大きくなり始め,現在は男性6:女性4となっている1).よって,職場における女性の比率も高くなってきていることが推測できるが,男性に比べ,女性は結婚,出産・育児,介護などのライフイベントにより,望むと望まざるとにかかわらず,職場環境によっては,働き方を変えなくてはならないことが多い.それは現代社会のように核家族が一般的であり,親・親戚などのサポートがない方が多い状況では,女性にとって,より深刻な問題となる.

 一方,職場の視点では,性別に関係なくよい人材(財)を雇用したいと考えているが,女性にはライフイベントに伴う時短勤務,休職(産前産後休業,育児休業),退職などがいつ起きるかわからないため,それによる影響を考えざるを得ない.職場としては現実に職場を管理・運営していかなくてはならないため,女性の雇用を躊躇したり,敬遠したりすることが生じているとも推察される.このような状況のなかで,女性理学療法士が活躍し,働き続けていくためにはどのようなことが必要か,働く個人と職場の視点から,産業・組織心理学の知見を引用しながら,以下に述べる.

参考文献

1)日本理学療法士協会:統計情報(年齢分布と平均年齢).http://www.japanpt.or.jp/about/data/(2017年2月16日閲覧)
2)Douglas TH:Careers in organizations. Scotto Foresman and Company, Glenview, 1976
3)髙橋 潔:ワーク・モチベーション.山口裕幸,他:経営とワークライフに生かそう! 産業・組織心理学.p93,有斐閣アルマ,2006
4)Super, DE:A life-span, life-space approach to career development. In Brown D, et al(ed):Career choice and development:applying contemporary theories to practice, 2nd ed. Jossey-Bass Inc, San Francisco, 1990
5)金井篤子:コラム4 ライフ・キャリアの虹.山口裕幸,他(編):よくわかる産業・組織心理学.p84,ミネルヴァ書房,2007
6)上田 泰:組織行動研究の展開.p56,白桃書房,2003
7)太田さつき:コミットメント.馬場昌雄,他(監),小野公一,他(編著):産業・組織心理学,改訂版.pp58-74,白桃書房,2017
8)岩﨑裕子:理学療法士の仕事意識に関する実証研究.文京学院大保健医療技紀1:11-25,2008
9)小野公一:職務満足感と生活満足感—ゆとりの時代の人事・労務管理へのクオリティ・オブ・ワーキング・ライフからのアプローチ.pp77-102,白桃書房,1993
10)小野公一:働く人々のキャリア発達と生きがい—看護師と会社員データによるモデル構築の試み.pp88-106,ゆまに書房,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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