文献詳細
文献概要
入門講座 「はじめて」への準備(臨床編)・6
はじめての家族指導
著者: 本田祐一1
所属機関: 1臼杵市医師会立コスモス病院
ページ範囲:P.529 - P.534
文献購入ページに移動はじめに
団塊の世代が後期高齢期に入る2025年を目途として,地域包括ケアシステムの構築が推進されている1).また,75歳以上人口の増加に伴い,入院を必要とする高齢者が増加すると予想され,入院需要の増加に対し,平均在院日数を短縮する施策が打ち出されている.これらのことから,今後は急性期病床から直接自宅退院するケースや,回復過程にある患者が自宅退院するケースが増加すると予想される.このような状況のなかで,病院から在宅へスムーズに移行するためには,医療機関と地域医療(在宅)との密な連携が必須である.特に高齢患者や介助を必要とする患者では退院後のADLが低下する可能性が高いとされており2,3),介助指導や疾病管理など在宅ケアスタッフはもちろんのこと,家族への指導や情報提供が重要となる.
そこで本稿では,医療機関から自宅退院する患者の家族指導として,介助指導,ホームプログラムの指導,疾病管理の指導という3つの視点で,その指導方法と内容について,臼杵市医師会立コスモス病院(以下,当院)での取り組みを踏まえ述べる.
団塊の世代が後期高齢期に入る2025年を目途として,地域包括ケアシステムの構築が推進されている1).また,75歳以上人口の増加に伴い,入院を必要とする高齢者が増加すると予想され,入院需要の増加に対し,平均在院日数を短縮する施策が打ち出されている.これらのことから,今後は急性期病床から直接自宅退院するケースや,回復過程にある患者が自宅退院するケースが増加すると予想される.このような状況のなかで,病院から在宅へスムーズに移行するためには,医療機関と地域医療(在宅)との密な連携が必須である.特に高齢患者や介助を必要とする患者では退院後のADLが低下する可能性が高いとされており2,3),介助指導や疾病管理など在宅ケアスタッフはもちろんのこと,家族への指導や情報提供が重要となる.
そこで本稿では,医療機関から自宅退院する患者の家族指導として,介助指導,ホームプログラムの指導,疾病管理の指導という3つの視点で,その指導方法と内容について,臼杵市医師会立コスモス病院(以下,当院)での取り組みを踏まえ述べる.
参考文献
1)厚生労働省:地域包括ケアシステム.http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/(2017年2月4日閲覧)
2)増田直美,他:質問紙によるFunctional Independence Measure(FIM)を用いた脳卒中片麻痺患者の追跡調査—退院後の機能維持に関与する因子.作業療法14:134-139,1995
3)芳野 純,他:回復期リハビリテーション病棟患者の退院後日常生活活動変化の特徴と関連因子.理学療法科学23:495-499,2008
4)竹村 仁,他:呼吸器・心大血管疾患における在宅理学療法の可能性.PTジャーナル47:781-786,2013
5)本田祐一,他:心臓リハビリテーションにおける退院前訪問指導による歩行路決定の有効性についての検討.心臓リハ17:257-260,2012
6)山田 緑,他:虚血性心疾患患者の運動の継続に影響する要因の検討.聖路加看会誌11:53-61,2007
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