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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル51巻7号

2017年07月発行

文献概要

特集 理学療法のプロフェッショナルをめざして

理学療法士の継続教育における教育機関の役割

著者: 臼田滋1 朝倉智之1

所属機関: 1群馬大学大学院保健学研究科リハビリテーション学講座

ページ範囲:P.573 - P.581

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はじめに

 理学療法士が養成校卒業後の生涯学習により能力の維持や開発に努めることは,理学療法士自らの責任ならびに責務であり,この生涯学習を支援する活動が継続教育である.継続教育は,養成校での学習を基盤に,個別的に行われる学習,所属施設・学術団体・職能団体などの組織で体系的に計画された学習,大学院での学習,研究活動を通じた学習などの多様な形態をとる学習を支援するように計画される.

 生涯学習や継続教育とキャリア開発は密接に関連する.個々の理学療法士が社会のニーズや各個人の能力および生活に応じてキャリアをデザインし,自己の責任でその目標達成に必要な能力の向上に取り組むことがキャリア開発であり,継続教育はこのキャリア開発を支援する取り組みである.

 本稿ではプロフェッショナリズム教育の重要性と継続教育の必要性,生涯学習に必要な学習者像,継続教育の現状と継続教育における教育機関の役割について解説し,群馬大学大学院(以下,本学)における取り組みを紹介する.

参考文献

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12)芳野 純,他:医療施設における理学療法士の継続教育の現状.理療科25:55-60,2010
13)朝倉智之,他:群馬大学医学部保健学科理学療法学専攻卒業生の卒後継続教育の現状と課題.群馬保健学紀要34:1-11,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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