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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル51巻7号

2017年07月発行

文献概要

特集 理学療法のプロフェッショナルをめざして 各分野での継続教育のあり方

1.中枢神経疾患分野のプロフェッショナルを育てる

著者: 髙橋明美1

所属機関: 1新潟リハビリテーション大学医療学部リハビリテーション学科

ページ範囲:P.583 - P.587

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はじめに

 近年,理学療法士の業務は多様化し,これまでの医療保険領域中心の理学療法から,福祉施設や在宅といった,介護保険を利用する対象者に対する理学療法へと業務が拡大してきた.さらに,健康増進や予防の観点から地域保健や学校・産業領域への参画も求められてきている.

 こうした社会の要請に対応するためには,専門職(professional;以下,プロフェッショナル)としての知識や技能をさらに卓越したものとし,高い職業倫理に基づいて業務にあたる必要がある1).日本理学療法士協会の倫理規定のなかに,「理学療法士は,国民の保健・医療・福祉のために,自己の知識,技術,経験を社会のために可能な限り提供しなければならない」,「理学療法士は,専門職として常に研鑽を積み,理学療法の発展に努めなければならない」とある.専門職はこうした倫理観をもつことが使命であり,職責であることを自覚しなければならない.

 理学療法のプロフェッショナルを育てるためには,卒前教育から卒後教育,そして生涯教育へと継続的に行い,一貫した教育制度によって社会の要請に対応できる理学療法士を育成していく必要がある.本稿では,プロフェッショナルを育成するために現在行われている教育方法やその課題について述べたうえで,中枢神経疾患分野におけるプロフェッショナル育成について,前述した3つの過程に分けて述べることとする.

参考文献

1)内山 靖:社会の要請に応える理学療法学教育.PTジャーナル50:713-722,2016
2)吉元洋一:指定規則の改正について.理学療法学43(Suppl):100-104,2016
3)Spady WG:Outcome-Based Education:Critical issues and answers. The American association of school administrators. Arlington, Virginia, 1994
4)大西弘高:医学教育におけるoutcome-based education(OBE):の影響.理学療法学42:781-782,2015
5)日本理学療法士協会:理学療法診療ガイドライン第1版“ダイジェスト版”.http://www.japanpt.or.jp/upload/jspt/obj/files/guideline/Guideline-QandA-Digest2.pdf(2017年4月3日閲覧)
6)石島辰太郎:コンピテンシー(業務遂行能力)に焦点を当てた大学教育.横断型基幹科学技術研究団体連合.第1回横幹連合コンファレンス抄録集,2005
7)中村悦子:看護における人的資源,その意義と課題.新潟青陵大学紀要5:333-344,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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