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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル51巻7号

2017年07月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法関連用語〜正しい意味がわかりますか?

小脳性運動失調評価法(Scale for the Assessment and Rating of Ataxia:SARA)

著者: 山内康太1

所属機関: 1製鉄記念八幡病院

ページ範囲:P.616 - P.616

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 運動失調の重症度評価はInternational Cooperative Ataxia Rating Scale(ICARS)が国際基準として用いられていたが,ICARSの評価項目は歩行を含む姿勢障害,四肢失調,言語障害,眼球運動障害の大項目に小項目が19項目と多く,評価に時間を要していた.このため,より簡便な評価として2006年に半定量的な運動失調の評価法であるScale for the Assessment and Rating of Ataxia(SARA)が開発された1)

 SARAは開発当初は眼球運動障害を含む9項目で構成されていたが,眼球運動障害における検査の信頼性は低いため除外され,全8項目で構成されている1).評価項目の内訳は歩行(0〜8点),立位(0〜6点),座位(0〜4点),言語(0〜6点),指追い試験(0〜4点),指鼻試験(0〜4点),手の回内・回外運動(0〜4点),踵脛試験(0〜4点)であり,正常0点〜最重症40点とされる.評価項目はICARSに比べ少なく,簡便な検査であり,検査所要時間は約4分とICARSの約3分の1の時間で測定することができると報告されている2)

参考文献

1)Schmitz-Hübsch T, et al:Scale for the assessment and rating of ataxia:development of a new clinical scale. Neurology 66:1717-1720, 2006
2)Yabe I, et al:Usefulness of the scale for assessment and rating of ataxia(SARA). J Neurol Sci 266:164-166, 2008
3)公益財団法人難病医学研究財団難病情報センターホームページ.http://www.nanbyou.or.jp/upload_files/sca_sara.pdf(2016年10月17日閲覧)
4)山内康太,他:Scale for the Assessment and Rating of Ataxia(SARA)を用いた脳卒中に伴う運動失調重症度評価の有用性について.脳卒中35:418-424,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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