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特集 理学療法と臓器連関
腎臓理学療法と臓器連関
著者: 平木幸治1 堀田千晴1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーション部
ページ範囲:P.665 - P.671
文献購入ページに移動はじめに
腎臓の役割は老廃物の排泄や体液量,電解質,酸塩基平衡の調節,ホルモンの産生など多岐にわたる.何らかの理由で腎機能が低下するとこれらの働きが十分できなくなり,後述する呼吸・循環器症状,精神神経症状,消化器症状,骨関節,血管,血液など,多臓器に関連した腎不全症状がみられるようになる.症状によっては理学療法を行ううえで阻害因子となる場合もある.
本稿では,腎不全症状と臓器連関を解説し,慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者の理学療法を実施する際の注意点について述べる.
腎臓の役割は老廃物の排泄や体液量,電解質,酸塩基平衡の調節,ホルモンの産生など多岐にわたる.何らかの理由で腎機能が低下するとこれらの働きが十分できなくなり,後述する呼吸・循環器症状,精神神経症状,消化器症状,骨関節,血管,血液など,多臓器に関連した腎不全症状がみられるようになる.症状によっては理学療法を行ううえで阻害因子となる場合もある.
本稿では,腎不全症状と臓器連関を解説し,慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者の理学療法を実施する際の注意点について述べる.
参考文献
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