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編集後記 フリーアクセス
著者: 高橋哲也
所属機関:
ページ範囲:P.728 - P.728
文献購入ページに移動先日,ある方に言われました.「理学療法士さんが血液データの結果をみることなんてあるんですか?」,「めまいや息切れなどの自覚症状や徴候を鑑別することなんてあるんですか?」と.理学療法士もたいそう低く見積もられたものだと思いましたが,それが世間の評価なのかもしれません.臓器の機能を示す血液データを読めることは,医療者間の共通言語を理解することに他なりませんし,自覚症状や徴候を鑑別できることは地域で働く理学療法士にとっては必須の能力で,何よりも「全人的アプローチ」と称されるリハビリテーションの専門家が,ヒトの体の仕組みや機能を理解することは,特別な手技を覚える以前に持ち合わせておくべきコア・コンピテンシーだと思います.一方,検査結果を読み,自分なりの解釈を並べて,病態把握こそがコア・コンピテンシーとすることも極端です(実際,内部障害分野では,そういうことを格好いいと勘違いする風潮があることは否めません).臓器を理解しつつ,「ひとを診る理学療法」を実践していきましょう.
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