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特集 ACL損傷と動作
ACL損傷と評価すべき動作
著者: 森口晃一1 鈴木裕也2
所属機関: 1医療法人一寿会西尾病院リハビリテーション科 2社会医療法人製鉄記念八幡病院リハビリテーション部
ページ範囲:P.757 - P.762
文献購入ページに移動膝前十字靱帯(anterior cruciate ligament:ACL)損傷は,スポーツ活動において発生しやすく,特にアスリートにとっては選手生命を脅かすことにもなりかねない,スポーツ外傷のなかでも重篤な疾患の一つである.その受傷機転は,選手同士の接触に加え,ジャンプ着地や急な方向転換など非接触場面でも多く発生することが知られている.
ACL損傷のメカニズムについて,Kogaら1)は受傷場面をビデオ解析し,ジャンプ着地やストップ動作において接地後40ms以内に生じる膝関節の急激な外反と内旋がACL受傷と関係していると報告した.また,Bordenら2)は,ACL損傷時の足関節と股関節の運動に着目し,ACL損傷者は受傷時の足部・足関節の肢位・運動に問題があったことを指摘した.そのなかで,ACL損傷者は初期接地時に後足部か足底全体で接地し,足関節の角度変化がほとんどなかったのに対し,非損傷者は初期接地時に足関節を底屈し,足関節の角度変化が大きかったと述べている.
ACL再建術後にスポーツ復帰をめざす場合,難度の高い課題動作において,脛骨の前方引き出しや膝関節の過度な回旋ストレスが生じるような身体機能を有していると,再受傷につながることになる.臨床場面では,再建靱帯のリモデリング過程や術後の経過期間ならびに関節機能に応じて,段階的に動作評価を行い,スポーツ復帰に向けた準備を図ることが求められる.そこで,本稿では筆者らが行っているACL再建術後症例に対する動作評価について述べる.
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