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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル51巻9号

2017年09月発行

文献概要

特集 ACL損傷と動作

ACL損傷とスポーツパフォーマンス—ACL再建術後のスポーツパフォーマンス向上のために

著者: 吉田昌平1

所属機関: 1京都地域医療学際研究所がくさい病院スポーツリハビリテーション科

ページ範囲:P.763 - P.770

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はじめに

 膝前十字靱帯(anterior cruciate ligament:ACL)再建術を希望するアスリートだけでなくスポーツ愛好家も,以前と同様のレベルでスポーツ活動を行いたい,もっとうまくなりたいと望んでいることだろう.スポーツパフォーマンスの向上を伴ったスポーツ復帰は,再受傷を十分に考慮することが非常に重要と考える.

 筆者は,スポーツパフォーマンスの向上を目的とした理学療法の戦略を大きく2つの要素から考えている.1つは,体力要素の詳細な評価とトレーニングにより弱点を強化することである.もう1つは,徹底したアライメントコントロールである.アライメントコントロールには動作イメージと,その動作を行うための関節可動域を有していること,さらに関節をコントロールするための最低限の筋力が必要になる.言い換えればいかに筋力で関節をコントロールし,目的に合った動作を行うかが非常に重要となる.本稿では,エネルギー効率から考えた姿勢への不適切な適応を単関節の動きから考え,筋活動を高めたスクワット動作について提示し,その問題点に対するアプローチについて述べる.

参考文献

1)Kapandji AI(著),塩田悦仁(訳):カパンジー機能解剖学 Ⅱ下肢,原著第6版.医歯薬出版,2010
2)川野哲英:ファンクショナルエクササイズ—安全で効果的な運動・動作づくりの入門書.ブックハウスHD,2004
3)吉田昌平,他:足関節・足部の機能解剖学的理解のポイント.理学療法31:131-143,2014
4)吉田昌平:アライメントからみた膝関節のスポーツ傷害と理学療法.理学療法32:423-436,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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