icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル52巻10号

2018年10月発行

文献概要

特集 オリンピック・パラリンピック—世界と向き合うために

オリンピック・パラリンピックにおける理学療法士の体制

著者: 梶村政司1

所属機関: 1公益社団法人日本理学療法士協会スポーツ支援推進執行委員会

ページ範囲:P.909 - P.915

文献購入ページに移動
はじめに

 日本理学療法士協会(以下,本会)では,東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下,東京2020大会)を通じて「スポーツ理学療法」の発展と,理学療法士が国民に向けた社会貢献として広義のスポーツ(運動)をツールとした健康・予防の発信源であることを強調する絶好の機会と捉えている.

 最初に私事となるが,この執筆依頼を受けたとき,1994年に広島市で開催された「第12回アジア競技大会(12th Asian Games Hiroshima 1994)」を思い出さずにはいられなかった.筆者自身の所属県が開催地であり,「アジア競技大会選手村診療所内理学療法室」を運営した一員として,当時のことが走馬灯のように思い出された.四半世紀前の理学療法士たちの取り組みやデータなどに興味のある方は,文献1)をご参照いただきたい.

 さて,近年開催された夏季オリンピック・パラリンピックに日本選手団の一員として参加した理学療法士は2012年ロンドン大会では4人,2016年リオデジャネイロ大会では7人であった.また,冬季の2014年ソチ大会では4人,2018年平昌大会では7人がかかわり,その報告会がまさに行われている2).なお,いずれの大会においても競技団体付として参加した理学療法士が多数存在することを加えておく.

 今回の東京2020大会の開催は2013年9月に,アルゼンチン・ブエノスアイレスにおいて国際オリンピック委員会(International Olympic Committee:IOC)の総会で最終決定された.その東京2020大会招致決定後,本会はスポーツに関係する有識者や関連団体からのヒアリングを行い,現場の「スポーツ理学療法」の実態とニーズ調査を実施するとともに,同時に他団体との調整を重ねてきた.それらの結果も踏まえ,本会における東京2020大会に向けた事業とそれ以降につなげるレガシー(Legacy)事業,そして会員に対する期待も含めた行動指針などについてご紹介する.

参考文献

1)梶村政司:アジア競技大会選手村診療所における理学療法活動.PTジャーナル30:152-158,1996
2)日本代表オリンピック全選手・役員名鑑.出版文化社,2018
3)日本理学療法士協会:JPTA NEWS No.312.http://www.japanpt.or.jp/members/membership/tools/jptanews(2018年8月16日閲覧,会員限定コンテンツ)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら