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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル52巻10号

2018年10月発行

文献概要

特集 オリンピック・パラリンピック—世界と向き合うために

オリンピック・パラリンピック開催に際しての課題—リオデジャネイロ2016大会での理学療法サービスの経験と東京2020大会への提言

著者: MendonçaD Mendonça123

所属機関: 1Physical Therapy Department, Universidade Federal dos Vales do Jequitinhonha e Mucuri(UFVJM), Diamantina, Brazil. 2Programa de Pós Graduação em Reabilitação e Desempenho Funcional(UFVJM) 3Brazilian National Society of Sports Physical Therapy(SONAFE), Santo André—Brazil 4Programa de Pós Graduação em Ciências da Saúde aplicada ao Esporte e à Atividade Física, Universidade Federal de São Paulo.

ページ範囲:P.921 - P.926

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はじめに

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下,東京2020大会)への期待は日増しに高まっており,競技者,開催委員会,報道陣,観衆は盛り上がりを増している.開催中の主要な関心事の1つは,競技者が競い,記録を破るために適切な医療システムを提供することである1).国際オリンピック委員会と国際パラリンピック委員会は,東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と連携し,これらの目的を達成するための適切な構造,ロジスティクスおよび専門家集団を確立する1)

 ボランティア活動は大会運営の重要な要素である2).医療従事者は,経験,言語能力,スケジュールに基づき選定される2).さらに,彼らはチームのなかで他の専門職とどのように働くのかを知る必要がある.医療システムは機器や備品の質,さらに医療従事者の専門的能力に左右される.したがって,ボランティアの選定や,本当に必要な備品およびその数量と質の比率の定義づけは,慎重に検討されなければならない.

 理学療法サービスは,怪我の治療およびリハビリテーションの提供において極めて重要な役割を担う1).さらに,理学療法士は予防,維持,回復のための介入を通して競技者のパフォーマンスの支援も行う1).理学療法サービスについて初めて調べたのはAthanasopoulosら3)であり,怪我の性質や提供された治療内容,さらにアテネ2004大会での医療部門の施設や組織について報告している.同様のテーマでの最新の報告はGrantら1)によるものであり,ロンドン2012大会期間中に行われたスポーツ理学療法について記述されている.理学療法士はこの種のスポーツイベントにおいて主要な役割を担っており,高い責任感と能力をもって対処する用意が必要である.

参考文献

1)Grant ME, et al:The role of sports physiotherapy at the London 2012 Olympic Games. Br J Sports Med 48:63-70, 2014
2)Mendonça LD, et al:Preparation and organization of Brazilian physical therapy for the Rio 2016 Olympic and Paralympic Games. Phys Ther Sport 25:62-64, 2017
3)Athanasopoulos S, et al:The 2004 Olympic Games:physiotherapy services in the Olympic Village polyclinic. Br J Sports Med 41:603-609, 2007
4)Soligard T, et al:Sports injury and illness incidence in the Rio de Janeiro 2016 Olympic Summer Games:Ă prospective study of 11274 athletes from 207 countries. Br J Sports Med 51:1265-1271, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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