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書評 —澤村誠志(編著)—「地域リハビリテーションと私」 フリーアクセス
著者: 金谷さとみ1
所属機関: 1菅間記念病院在宅総合ケアセンター
ページ範囲:P.1039 - P.1039
文献購入ページに移動本書には,前半に澤村先生が医師をめざしリハビリテーションにかかわるようになった経緯とその後の歩みが書かれていますが,驚くべきは,それに伴って日本のリハビリテーション自体が変わってくるさまがよくわかるところです.マスコミで騒がれたベトナムの骨盤結合児を澤村先生が受け入れることになった経緯なども書かれています.そして,澤村先生が起こした変革の傍には,必ず当事者(患者や障がい者)が存在していたことに注目して読んでほしいと思います.近年,地域包括ケアシステムが叫ばれていますが,システムありきで形を整えるだけの取り組みならば長続きはしないはずです.背景に当事者がいて,当事者が「よかった」と思えるような具体的な取り組みを起こさなければ意味がありません.本書は,医療関係者やリハビリテーションに携わる者だけでなく,地域包括ケアシステムにかかわる行政の担当者にも読んでほしい一冊であると感じました.
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