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特集 退院支援—理学療法士はその先が見えているか
地域包括ケア病棟における理学療法士の退院支援
著者: 穐本宇未1 石橋仁宏1
所属機関: 1公益社団法人地域医療振興協会横須賀市立市民病院
ページ範囲:P.1107 - P.1113
文献購入ページに移動厚生労働省は団塊の世代が75歳以上となる2025年をめどに,重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう,医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの実現をめざしている.2014年度診療報酬改定では,地域包括ケア病棟入院料が図1のような ① 急性期治療を経過した患者の受け入れや,② 患者の在宅・生活復帰支援ならびに ③ 在宅において療養を行っている患者等の緊急時の受け入れ等を行う機能を有し,地域包括ケアシステムを支える役割を担うものとして新設され,地域包括ケア病棟が開棟となった1).地域包括ケア病棟入院料等を届け出ている病床数は2014年10月24,645床,2015年10月36,377床,2016年10月では52,492床となり,年々増加している.地域包括ケア病棟は回復期病棟と違い,対象疾患が決められておらずすべての疾患が対象となり,在宅から直接入院し医療を受けることができるのが特徴と言える.
また,本特集のテーマである退院支援とは,入院患者に対して適切な退院先に適切な時期に退院できるよう退院支援計画の立案と退院時の情報共有の推進を目的としている.特に退院に難渋しそうな症例にはこの退院支援が重要になる.厚生労働省は2008年度から「退院調整加算」を開始し,2016年度には「退院支援加算」と名称を変更した.また,2018年度診療報酬改定では,入院しても住み慣れた地域で生活を継続できるよう,入院前から退院直後まで地域の関係者との連携を推進し,切れ目のない支援を評価していることから,名称が「入退院支援加算」と変更された.すなわちこのことは医療・介護・福祉間の切れ目のない連携を推進する観点から,入退院支援や退院時の指導等における要件に障害福祉サービスの専門相談支援との連携を追加するなど,よりその人らしい生活を継続するために入院早期から退院後における患者の生活を中心とした支援を行っていくことをめざしている2).
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