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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル52巻12号

2018年12月発行

文献概要

臨床実習サブノート どうする? 情報収集・評価・プログラム立案—複雑な病態や社会的背景の症例・9

小児の脳性麻痺患者

著者: 中林美代子1

所属機関: 1新潟県はまぐみ小児療育センター

ページ範囲:P.1168 - P.1175

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はじめに

 中枢神経障害に起因する脳性麻痺(cerebral palsy:CP)児は,肢体不自由児の約半数を占め,理学療法士がかかわることが最も多い疾患です.CPの定義としては,1968年に厚生省脳性麻痺研究班会議で定められたものが現在でもわが国でよく用いられており,「生後4週間以内までの間に生じた脳の非進行性病変に基づく,永続的なしかし変化しうる運動および姿勢の異常である.その症状は満2歳までに発現する.進行性疾患や一過性運動障害または将来正常化するであろうと思われる運動発達遅延は除外する」とされています.国際的には2004年に「脳性麻痺の言葉の意味するところは,運動と姿勢の発達の異常の1つの集まりを説明するものであり,活動の制限を引き起こすが,それは発生・発達しつつある胎児または乳児の脳のなかで起こった非進行性の障害に起因すると考えられる.脳性麻痺の運動障害には,感覚,認知,コミュニケーション,認識,それと/または行動,さらに/または発作性疾患が付け加わる」1)と定義されました.

参考文献

1)近藤和泉:脳性麻痺の診断にあたり,どのような定義に従えばよいか? 日本リハビリテーション医学会(監):脳性麻痺リハビリテーションガイドライン.pp34-36,医学書院,2009
2)理学療法診療ガイドライン部会(編):理学療法診療ガイドライン第1版.9 脳性麻痺.日本理学療法士協会,2011
3)藪中良彦:脳性麻痺の概略.上杉雅之(監),成瀨 進,他(著):イラストでわかる小児理学療法.pp41-60,医歯薬出版,2013
4)森田正治,他:脳性麻痺児・者の胸郭の機能障害と理学療法.理学療法32:614-623,2015
5)日本救急医療財団,他(監):JRC(日本版)ガイドライン2010(確定版).第4章 新生児の蘇生(NCPR).http://www.qqzaidan.jp/pdf_5/guideline4_NEO.pdf(2018年9月11日閲覧)
6)Bower E(編著),上杉雅之(監訳):脳性まひ児の家庭療育,原著第4版.医歯薬出版,2014
7)山川友康,他:痙直型脳性麻痺.上杉雅之(監),成瀨 進,他(著):イラストでわかる小児理学療法.pp63-90,医歯薬出版,2013
8)中林美代子:歩行のみかた 成人の脳性麻痺.PTジャーナル51:1123-1129,2017
9)中林美代子:脳性麻痺の運動療法.吉尾雅春(編):≪標準理学療法学 専門分野≫運動療法学各論,第3版.pp184-201,医学書院,2010
10)浪本正晴:小児理学療法の特性.上杉雅之(監),成瀨 進,他(著):イラストでわかる小児理学療法.pp239-251,医歯薬出版,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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