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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル52巻3号

2018年03月発行

文献概要

特集 理学療法における動作のアセスメント

—エディトリアル—理学療法における動作のアセスメント

著者: 永冨史子1

所属機関: 1川崎医科大学総合医療センターリハビリテーションセンター

ページ範囲:P.193 - P.198

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はじめに

 本邦で昭和40(1965)年に制定された「理学療法士及び作業療法士法」には,「『理学療法』とは,身体に障害のある者に対し,主としてその基本的動作能力の回復を図るため,治療体操その他の運動を行なわせ,及び電気刺激,マッサージ,温熱その他の物理的手段を加えることをいう」と記載されている.この法律に定義された「理学療法士」とは,「厚生労働大臣の免許を受けて,理学療法士の名称を用いて,医師の指示の下に,理学療法を行なうことを業とする者」である.

 「治療体操その他の運動」を行うために機能・動作評価は不可欠である.本邦の1960年代のリハビリテーション関連雑誌には,脳卒中,脳性麻痺,脊髄損傷など,疾患別の病態,評価,動作練習ポイントを特集テーマに取り上げたものが多くみられた.徐々に疾患を特定しないテーマも取り上げられるようになり,臨床現場で動作時筋活動が分析の対象となったのは1960年代後半,動作分析・歩行分析が注目され,臨床応用・臨床研究が盛んになったのは1980年代である1,2).現在,理学療法の臨床あるいは臨床実習で動作観察や分析を行うこと,さまざまな手法があることはもはや常識である.

 「理学療法における動作のアセスメント」を特集するにあたり,その基本的な成り立ち,誰が何をアセスメントするのか,理学療法士がアセスメントする動作自体の意味も含め,あらためて考えてみたい.

参考文献

1)明石 謙:歩行の成熟,歩行研究小史.総合リハ15:137-143,1987
2)多賀厳太郎:歩きをデザインする—2足歩行の自己組織.科学64:19-26,1994
3)齋藤 宏,他:姿勢と動作—ADLその基礎から応用,第3版.pp61-129,メヂカルフレンド社,2010
4)石井慎一郎(編著):動作分析 臨床活用講座—バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践.pp30-34,pp82-86,メジカルビュー社,2013
5)Rose J, et al:Human Walking, 3rd ed. pp33-51, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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