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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル52巻3号

2018年03月発行

文献概要

特集 理学療法における動作のアセスメント

日常生活動作における姿勢制御のアセスメント—リーチ動作に伴う姿勢制御

著者: 北山哲也1 渡邊修司2 平賀篤2 廣瀬昇2

所属機関: 1山梨リハビリテーション病院理学療法課 2帝京科学大学医療科学部理学療法学科

ページ範囲:P.207 - P.216

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はじめに

 日常生活動作のアセスメントでは,姿勢制御を背景にした動きの連続性,順序性,効率性,多様性など,「課題遂行時の質」を観察・分析することが重要である.アセスメントは,各課題における姿勢・運動の構成要素を把握し,環境との相互作用を考慮しながら実用的機能の獲得と対象者の潜在性を導き出すことが本質であると考える.具体的には機能的活動にかかわる筋・骨格系のアライメント,支持基底面,姿勢制御システムと運動パターンにおける関連性を観察・分析し,介入していくための重要なヒントを探ることである.

 課題分析においては,対象者の訴えや症状から病態を推測し,仮説に基づいて適切な課題・環境を選択し,最も効率のよい介入を決定していく臨床推論が重要となる.目標とする課題を全体的に捉えるだけではなく,各相に分けるなど部分的にも捉えて観察・分析していくことも大切である.

 着目するポイントとしては,効率的であるかどうかを考えることである.効率的なスキル(技能)の学習過程を積み重ねていくことが日常生活動作の改善につながると考える.

参考文献

1)Massion J:Movement, posture and equilibrium:interaction and coordination. Prog Neurbiol 38:35-56, 1992
2)Krishnan V, et al:Early and late components of feed-forward postural adjustments to predictable perturbations. Clin Neurophysiol 123:1016-1026, 2012
3)Klous M:Early postural adjustments in preparation to whole-body voluntary sway. J Electromyogr Kinesiol 22:110-116, 2012
4)Tard C, et al:Stimulus-driven attention modulates the release of anticipatory postural adjustments during step initiation. Neuroscience 247:25-34, 2013
5)Takakusaki K, et al:Brainstem control of locomotion and muscle tone with special reference to the role of the mesopontine tegmentum and medullary reticulospinal systems. J Neural Transm(Vienna) 123:695-729, 2016
6)藤原勝夫(編著):姿勢制御の神経生理機構.杏林書院,2011
7)山下謙智(編著):多関節運動学入門,第2版.ナップ,2012
8)高草木 薫:筋トーヌスとジストニアの病態—姿勢筋緊張の調節と運動機能:Clin Neurosci 28:733-737,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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