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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル52巻3号

2018年03月発行

文献概要

卒業論文のひろば

足部回内外可動域および筋力と歩行時の下肢運動の関係—足部の安定性を補償する下肢の運動戦略

著者: 林莉子1 西宮亜樹1 本間光貴1 菅野有里絵1 西小野海斗1 江戸優裕1 望月久1

所属機関: 1文京学院大学保健医療技術部理学療法学科

ページ範囲:P.272 - P.276

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要旨 【目的】足部回内外可動域および筋力と歩行時の下肢運動との関係を明らかにすることである.【対象】健常若年者18名とした.【方法】角度計と徒手筋力計を用いて足部回内外可動域・筋力を計測し,三次元動作解析装置と床反力計を用いて歩行時の下肢関節角度・内部モーメントを計測した.【結果】足部回内可動域が大きいほど,立脚期に股関節は伸展モーメントが大きく,膝関節は伸展位かつ伸展モーメントが小さく,足関節は回外位かつ底屈モーメントが大きかった.回内・回外筋力が大きいほど,足関節は回内位にあった.【考察】回内可動域が大きい足部は剛性が低いため,補完的に下肢関節を締まりの肢位にしており,回内外筋力が大きい足部は筋により安定性を保てるため,足部を緩みの肢位にして立脚していると推察した.すなわち,足部の安定性を補償するように歩行時の下肢関節運動が生じることが示唆された.

参考文献

1)入谷 誠:入谷式足底板—基礎編.pp29-33,運動と医学の出版社,2011
2)Seibel MO(著),入谷 誠(訳):Foot Function.pp197-205,ダイナゲイト,1996
3)Hislop HJ,他(著),津山直一,他(訳):新・徒手筋力検査法,原著第8版.pp240-244,共同医書出版社,2012
4)Neumann KG(著),月城慶一,他(訳):観察による歩行分析.pp9-22,医学書院,2006
5)Magee DJ:Orthopedic Physical Assessment, Saunders, 4th ed. pp49-50, Philadelphia, 2002
6)山﨑 敦:足のアーチ—運動学,機能解剖学の知見から.Sportsmed 144:22-23,2012
7)Neumann DA(著):嶋田智明,他(訳):筋骨格系のキネシオロジー.p537,医歯薬出版,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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