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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル52巻4号

2018年04月発行

文献概要

特集 変形性膝関節症に対する最新の保存療法

変形性膝関節症の評価—超音波検査を中心に

著者: 工藤慎太郎12 北野雅之3 相良繭子4

所属機関: 1森ノ宮医療大学保健医療学部理学療法学科 2森ノ宮医療大学大学院保健医療学研究科 3山室クリニックリハビリテーション科 4佐久平整形外科クリニックリハビリテーション科

ページ範囲:P.301 - P.308

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Rehabilitative Ultrasound Imaging(RUSI)の概要

 超音波画像診断装置(以下,エコー)は医師の診療(診断)において,器質的および機能的変化を確認するために用いられてきた.特に近年では,高周波プローブの開発や画像技術の向上に伴い,靱帯損傷や腱断裂,付着部障害など,日常臨床で遭遇するあらゆる運動器疾患の診断に用いられている.

 欧米ではエコーを用いたリハビリテーションが10年ほど前から活発に行われていた.2006年には米国のSan Antonioにおいて,Rehabilitative Ultrasound Imaging(RUSI)symposiumが開催された.ちなみに,ultrasoundの発音記号はアメリカ英語ではʌ́ltrəsàʊndのため,日本語読みの“ウ”ルトラよりは,“ア”ルトラに近い発音になる.そのため,RUSIは“ルーシー”ではなく,“ラッシー”となる.RUSIではエコーを“診断として”ではなく,“評価として”理学療法士が直接扱う.とりわけ深層に位置する腹横筋や多裂筋の収縮を非侵襲的に確認することに用いられてきた点と,バイオフィードバック療法の一環として,その収縮を患者にフィードバックしていた点から,理学療法士が自ら行わなければ有効な利用ができないためと考えられる.つまり,整形外科医が診断目的で見ているもの(どこが壊れているか)ではなく,「ターゲットとした組織の機能はどうなっているか?」を診るためにRUSIは広まった.


*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2020年3月20日)。

参考文献

1)工藤慎太郎(編著):運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略.pp1-4,270-282,医学書院,2017
2)中村 翔,他:超音波画像診断装置を用いた膝屈曲自動運動時の外側広筋の動態観察.愛知理療会誌27:12-15,2015
3)Kudo S, et al:Relationship between hardness and deformation of the vastus lateralis muscle during knee flexion using ultrasound imaging. J Bodyw Mov Ther 21:549-553, 2017
4)工藤慎太郎(編著):運動療法の「なぜ?」がわかる超音波解剖.pp136-142,医学書院,2014
5)中村 翔,他:外側広筋の動態を考慮した運動療法の関節可動域と筋の柔軟性の即時効果の検討.日整外超音波会誌27:50-55,2016
6)佐藤貴徳,他:底屈運動時における腓腹筋内側頭の動態と半膜様筋との関係.日基理療誌20:290-290,2016
7)Childs DJ, et al:Alterations in lower extremity movement and muscle activation patterns in individuals with knee osteoarthritis. Clin Biomech 19:44-49, 2004
8)Kudo S, et al:Determination of the fascicle length of the gastrocnemius muscle during calf raise exercise using ultrasonography. J Phys Ther Sci 27:3763-6, 2015
9)黒坂昌弘:膝関節.国分正一,他(監),中村利孝,他(編):標準整形外科学,第10版.pp556-595,医学書院,2005
10)皆川洋至:超音波でわかる運動器疾患—診断のテクニック.pp269-277,メジカルビュー社,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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