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特集 変形性膝関節症に対する最新の保存療法
変形性膝関節症の評価—超音波検査を中心に
著者: 工藤慎太郎12 北野雅之3 相良繭子4
所属機関: 1森ノ宮医療大学保健医療学部理学療法学科 2森ノ宮医療大学大学院保健医療学研究科 3山室クリニックリハビリテーション科 4佐久平整形外科クリニックリハビリテーション科
ページ範囲:P.301 - P.308
文献購入ページに移動超音波画像診断装置(以下,エコー)は医師の診療(診断)において,器質的および機能的変化を確認するために用いられてきた.特に近年では,高周波プローブの開発や画像技術の向上に伴い,靱帯損傷や腱断裂,付着部障害など,日常臨床で遭遇するあらゆる運動器疾患の診断に用いられている.
欧米ではエコーを用いたリハビリテーションが10年ほど前から活発に行われていた.2006年には米国のSan Antonioにおいて,Rehabilitative Ultrasound Imaging(RUSI)symposiumが開催された.ちなみに,ultrasoundの発音記号はアメリカ英語ではʌ́ltrəsàʊndのため,日本語読みの“ウ”ルトラよりは,“ア”ルトラに近い発音になる.そのため,RUSIは“ルーシー”ではなく,“ラッシー”となる.RUSIではエコーを“診断として”ではなく,“評価として”理学療法士が直接扱う.とりわけ深層に位置する腹横筋や多裂筋の収縮を非侵襲的に確認することに用いられてきた点と,バイオフィードバック療法の一環として,その収縮を患者にフィードバックしていた点から,理学療法士が自ら行わなければ有効な利用ができないためと考えられる.つまり,整形外科医が診断目的で見ているもの(どこが壊れているか)ではなく,「ターゲットとした組織の機能はどうなっているか?」を診るためにRUSIは広まった.
*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2020年3月20日)。
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